紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

2017年11月のブログ記事

  • “Soul bar-IORI” Jazz2

     ジャズは多くの様式を持ち、時代の流れと共に姿を変えてきた音楽である。ジャズ好きの多くが「70年代に入りエレクトリック楽器を多用し演奏されたものはジャズではない」と言う。私にはその言葉の意味がよくわからない。使う楽器の決まりなどあるわけもなく、リズムにしてもより多くのものを取り入れて発展してきた。... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” Jazz1

     ジャズ、何か取っ付き難い音楽かもしれない。ジャズにヴォーカル曲もあるが、多くの曲には歌詞もなく、楽器での演奏が繰り返される。そして、やたらと長い。歌詞があり、3分程の時間に集約されたポピュラー・ソングに慣れ親しむと、多くの違和感があり、理解するには難しいと感じてしまう。  理解することなどさほど... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” 王様

     さぁ、店のオープンだ。今日は何をかけようか、キング、キング、キング、って、この手の音楽、やたらと多いのがキングだなぁ~。佐藤さんや田中さんみたい。 「この前さぁ~キングのアルバム聞いたんだけど」とか言われても誰を聞いたのかさっぱりわかりゃしない。  フレディ・キング、アール・キング、ベン・E・キ... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” 美

     11月がもう間もなく終ろうとしている。1年など瞬く間に過ぎ去ってしまう。繁華街のクリスマスの飾り付けが、時の流れるのを一層、早く感じさせるのかもしれない。  人が持つ時間は同じであるはずだが、感じる長さは人それぞれであろう。特に加齢を重ね、時の流れを早く感じる。以前に読んだ本の一説を思い出した。... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” 変装3

       インフルエンザ・ワクチンは予防の観点からは、まったく接種する意味はないと私は判断している。しかし、私が無駄と判断したように、意味のあることと判断し接種する方を否定するつもりはない。ただ、問題なのは、人、行政も含み、これらに流され接種してしまうことを懸念している。己の意思をしっかりと持つべきで... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” 変装2

    「ちょっとBGMチェンジしますね、さすがに日本のバンドでは」 Barry White-Just The Way You Are  ビリー・ジョエルの「素顔のままで」をバリー・ホワイトがソウルフルにカバーしている。 「まぁ、お呪い、みたいなもんですけどね、ワクチン接種」 「そんな~、お呪いだなんて。... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” 変装1

     毎年この時期になると、インフルエンザの流行の兆しが見え、街にはワクチン接種を啓蒙するポスターが至るところに掲示される。行き交う人のマスク姿もよく見かける。  マスクをする理由は、感染を防ぐ為なのであろうか?それとも、人に感染させないように努めているのであろうか?中には顔を隠すためにしている人もい... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” お笑い系R&B

     店を開けたものの、ノーゲストのまま4時間が過ぎようとしている。こんなときは映画でも観るのがいい。それも底抜けに楽しい映画、笑うしかないのだ。レコードを外し、DVDを入れ、モニターのスイッチを入れていた。 選んだDVDは、1980年公開(日本では翌年の公開)の“The Blues Brothers... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” 壁

     “Soul”、“R&B”界において巨大な勢力を持った“Motown”が、ポピュラー志向に傾倒したのに対し、サザン・ソウルとも呼ばれ、アメリカ南部の泥臭さを前面に出したレーベルも存在していた。テネシー州メンフィスに本拠地を置く、“Stax”である。 Otis Redding Sings Respe... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” 車の街

      営業時間前、自転車で繁華街を通り抜け、大通りに面するスーパーに少量の買出しに出た。繁華街は車で埋め尽くされ、日常的に違法駐車が行われている。狭い通りを行き来する車も、通行を妨げられ苦労しているようだ。  エコ、規律、道徳を多くの人が口にし訴えているが、この車の状況を見れば、上辺だけの人が大多数... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” 魔法

       店のオープンである。表の看板に電気を点しに外へ出ると、雨が降り、肌寒さを感じる。今日も暇な一日になりそうだ。もし、私に魔法が使えたなら、雨を止ませ、カウンターは素敵なお姉様で溢れ、、、って、止めておこう、悲しくなるだけだ。  BGMを考えていても、魔法が頭から離れない。そうだ!このおじさんが... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” Gospel

     私は無信仰が故に、教会の礼拝で歌われる賛美歌に興味はないが、“Gospel”は別物である。教会で歌い始め、その後、世界的スターに登り詰めたシンガーも多く、アフリカ系アメリカ人の音楽を語る上で、決して外すことはできない。 What a Friend We Have in Jesus - Cissy... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” Blues

     バーカウンターの中には、酒を並べた棚の上に裕に1000枚を越えるレコードが並ぶ。“Delta”と分別された中から一枚を選び、ターンテーブルに置き針を落とした。 Robert Johnson- Crossroad  コロンブスがアメリカ大陸に侵略をし、100年程経った1619年、アフリカ西岸から、... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI” ヴォジョレ

     17:00 バーのオープンである。オープン一曲目のBGMは決めていた。理由はただ好きなだけである。“THE CRUSADERS” 1970年代に活躍したアメリカのジャズロックバンドで、都会的に洗練された音ではなく、アメリカ南部の泥臭さを持ち、根っこにはしっかりとブルースを感じる。このバンドは多く... 続きをみる

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  • “Soul bar-IORI”  開店準備

     街路樹が葉を落とし始め、もう間もなく冬が訪れようとしている。街にはクリスマスの飾り付けが始まり、寒さが増していくと共に感じる寂しさを、紛らわしてくれる。  繁華街から外れた路地裏に、一軒のバーをオープンさせる。ソウル・バー、魂のバーである。ちなみにSeoul、韓国のソウル特別市は関係ないので、、... 続きをみる

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  • 「家族」 帰郷

     一行が東京に戻るとすでに日は落ちていた。昨夜見た星空は何処にも見えない。英子は雪子に三島までの乗車券と特急券、そしてタクシー代を渡し、 「私と敏也さんは、ここから別件で出かけますので、明日はしっかりと身体を休めてくださいね」  雪子と綾香、そして清流荘のメンバーは伊豆へ、英子と敏也は東北方面に向... 続きをみる

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  • 「家族」 旅行 2

     翌朝、宿が指定する時間の朝食を待っていては行程に無理がある。予約の際に、何かしらの代替ができないか打診したが、対応できないとの返事であった。朝食はコンビニで買い込んで八ヶ岳を目指した。  八ヶ岳とは特定の峰を指した山の名前ではなく、いくつもの山が連なった連峰である。南北に別れ、併せて20km以上... 続きをみる

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  • 「家族」 旅行 1

       敏也が提案していた旅行が決まった。遊びではなく、あくまでも研修だ。子供が産まれたばかりの幸も、実家に子供を預け参加することになった。  早朝、三島から東京へ一旦出るのだが、向かった先は、新幹線ホームではなく、在来線だ。 「え~新幹線じゃないんだ、もう、ケチっ」  綾香の文句にも敏也はニコニコ... 続きをみる

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  • 「家族」 決断 2

       サイクリングを終え、カフェに戻った二人に雪子と綾香が噛み付いてきた。 「もう、今日は休みでお天気いいから、みんなでサイクリング行こうって思ってたら、二人ともいないんだもん」 「ほんとよね~あれ?、先生と英子さんの自転車ない!って」 「で、どうだった?デート」 「ええ、とっても楽しかったですよ... 続きをみる

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  • 「家族」 決断  1

       「綾香の作成してるホーム・ページがすごく好評で、また、見積もりの依頼が来てますよ。写真から何もかも一人で抱えてるんで、スタッフ募集かけましょうかね」 「うん、一度相談してみないといけないけど、そんなに無理して広げる必要もないんじゃないかな。綾香が出来る範囲で仕事をこなしていけばいいし」  敏... 続きをみる

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  • 「家族」 最後の舞台

     山岸のCDが発売され、順調にチャートを上げていくものの、あまりの変わり様に酷評されることもあった。時代の流れと共に多くのことが様変わりしていく中、音楽も姿、形を変えていく。ただ、山岸はこのCDで、リズムや、奇抜とも思える進行など形は変わったが、自分の音楽の本質は何も変わらないことをメッセージして... 続きをみる

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  • 「家族」 友が残した宝 2

     伊豆に戻った敏也に一本の電話が入った。 「おい、敏也、ソーナイスに顔出したってな、オーナーから聞いたよ。で、写真も辞めちまって、お前どうせ暇してんだろ?ベース弾けよ、ベース。いねーんだよ、いいやつが」  大介と自分を世に出してくれた山岸であった。相変わらず人の都合など一切気にしない男だ。 「な、... 続きをみる

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  • 「家族」 友が残した宝 1

       敏也は料亭を後にして、大学を辞め音楽にのめり込んだ街、新宿に来ていた。まだ、箱バンドとして活動したライブ・パブはあるのだろうか、ふと気になり、吸い寄せられるように身体が向いていた。多くの店が様変わりしているが、ネオンの数は変わることがない。  “Jazz live So-Nice” ネオン官... 続きをみる

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  • 「家族」 カポクォーコ 2

     敏也は雪子をテストしたわけではないが、料理を食べ確信をしていた。 「イタリアンは気取らない家庭料理をベースにしたもので、食を通し絆を深める素晴らしいもの」  日本ではバブル期にイタリア・ブームが沸き起こった。高級ブランドが紹介される中で多くのイタリア料理店が開業し、イタ飯と呼ばれ若者達のトレンド... 続きをみる

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  • 「家族」 カポクォーコ 1

     「おはようございます」  朝、チェックアウトの客を見送り、女将と坂崎夫婦がちゃりんこカフェを訪れた。雪子は買出しを綾香と英子に頼み、すでに仕込みに取り掛かっている。 「雪ちゃん、何でも指示してよね、今日は雪ちゃんが板長だから」 「あなた、板長って、おかしいでしょ。シェフって呼ばないと」 「幸さん... 続きをみる

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  • 「家族」 展開 3

     雪子はカフェの営業を終えると、自主的に清流荘の厨房に足を運んでいた。洗い物を手伝いながら、坂崎の仕事を見て得ようとしている。坂崎からは、作り上げる料理はもちろん、一切の食材を無駄にせず、感謝の気持ちを忘れない姿勢にも学ぶことが多い。そして坂崎は、本質を見る大切さを雪子に説く。 「食材の高い、安い... 続きをみる

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  • 「家族」 展開 2

       清流荘のオープンを前に、綾香の作成するホーム・ページが完成した。サイクリング・コースは伊豆半島一周から、一泊二日、日帰りといくつものコースと、主だった観光地が綺麗な写真で紹介されている。  コース途中の休憩ポイント、トイレの情報はもちろん、サイクリスト歓迎を掲げる店も増え充実している。店主の... 続きをみる

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  • 「家族」 展開 1

       ちゃりんこカフェに無事に戻った綾香に、敏也はホーム・ページの更新を頼んでいた。 「清流荘の紹介を加えて、サイクリング・マップや観光案内を入れていきたいんだ。サイクリング・コースにはトイレや休憩ポイント、あと、危険箇所には迂回路があれば案内できるといいな。それから、コンビニ、飲食店に駐輪用のラ... 続きをみる

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  • 「家族」 異変 4

       敏也は英子と共に東京にある料亭に足を運んでいた。以前よく通い、板長とは付き合いが長く信頼関係も出来ている。予約の際に個室ではなくカウンター席を頼んでた。  久しぶりに頂く板長の料理に自然と顔も綻びる。そして敏也は何の前触れもなく直球を投げ込んだ。 「板長、私に料理人をお貸し頂けないでしょうか... 続きをみる

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  • 「家族」 異変 3

     綾香が姿を消してから一ヶ月あまり経っていた。綾香を思う気持ちに敏也も英子も変わることはない。特に英子は、夜一人になり涙することもある。  15時を回った頃、カフェに和服を着た女性と連れの男性の客がいる。ランチから滞在し数時間が経ち、これといった会話が弾んでいる様子もない。店内の客がこの二人となっ... 続きをみる

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  • 「家族」 異変 2

       綾香は手始めに、雑誌の連載で秘境駅を訪ねる撮影を行っていた。山間に進むローカル線の旅は美しい景観が広がり、綾香も楽しんで撮影に挑んでいた。  初回から数回は写真の出来も素晴らしく、好評を得ていたのだが、回数を重ねるごとにクオリティは下がり、写真から伝わるものが消え失せている。英子は心配をし、... 続きをみる

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  • 「家族」 異変 1

     綾香、知明子、敏也が伊豆に移り住み、そして雪子が東京から来ておよそ3年が過ぎ去った。  知明子はちゃりんこカフェの店長として、また、敏也の撮影を影からサポートし充実した日々を送っている。  雪子は料理の研究を怠ることなく、本格的なイタリア料理にも挑んでいる。 「マスター、私はパスタだけではなく、... 続きをみる

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  • 「家族」 雪子 3

       しばらくして車のライトがカフェを照らした。綾香と敏也が戻り、二人で外に出迎えると、 「あ、ゆきねーだ」 と綾香が車の窓を開け手を振り、車から飛び出すといきなり雪子に飛びついている。そして敏也は、 「や、雪ちゃん、いらっしゃい」 とだけ言葉を掛け、車の荷物を降ろし始めた。4人で中に入れ込むとい... 続きをみる

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  • 「家族」 雪子 2

     雪子は決して裕福とまではいかないが、大手出版会社に勤め、趣味の自転車で遠方に出かけるぐらいのゆとりは十分にある。今までは奨学金の返済があり貯蓄に回すだけの余裕はないが、この先は可能だ。ただ、自分が求めているものは何かを考えたとき、簡単に答えなど出ることではないが、今の生活で得られる事ではないと感... 続きをみる

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  • 「家族」 雪子 1

     翌日、問題なく敏也は目を覚まし、開店の準備をすすめると、自転車で来た一人の女性が外で待ち、英子が中でお待ちくださいと声をかけている。 「いらっしゃい、今日は早いね。すぐコーヒー淹れるから少し待ってね。それにお一人?」 「はい、今日は一人なんです。昨夜から三島にいて、朝、飛んで来ちゃいました」  ... 続きをみる

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  • 「家族」 失態

     敏也の撮影はカフェの順調さとは反対に進捗は思わしくない。単に富士を写すだけなら多くの写真家が素晴らしい作品を残しているが、敏也は似たような作品を残すつもりはない。そして、今回の撮影では、綾香に自分の思う写真を撮るように指示をしており、綾香の目指す被写体をもとめ、山の奥深くまで足をすすめることもあ... 続きをみる

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  • 「家族」 開店

     店がオープンし、店内は淹れ立てのコーヒーの香りであふれ、BGMには爽やかなピアノ曲が流れている。綾香が敏也の膨大なCDコレクションの中から選んでかけていた。  CDは飲食店のBGM向きに発売されたもので、すでに廃盤であるが、業種、時間帯に別けセットで発売されていたものだ。クラシック音楽がポップス... 続きをみる

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  • 「家族」 新たな地 3

     住居の片付けも終わり、敏也は綾香を連れ行動を開始した。まだ本格的に撮影に入るのではなく、下見で下界での撮影ポイントを探していく。気になる情景があれば、季節、時間、また、どんな天候であればより良い写真に仕上げることが出来るのか、事細かに記録し撮影の計画を立てていく。もちろんシャッターチャンスがあれ... 続きをみる

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  • 「家族」 新たな地 2

     伊豆に引越しをした敏也は朝、自転車で10km程走り終え、ダンボールがまだ片付かない店舗でコーヒーを淹れていた。綾香と知明子はまだ部屋から出てくる気配はない。  「すみません、お店やってますか」  サイクリング途中の20代半ばと思われるカップルが、駐輪ラックに掛けられた敏也の自転車を見たのであろう... 続きをみる

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  • 「家族」 新たな地 1

     綾香がギャラリーに来て5年が過ぎようとしている。  夏期の低山での撮影にはアシスタントとして敏也に同行し、写真に益々のめり込んで行く。写真の上達も早く、現像をしている佐々木も綾香の感性には驚くばかりだ。  長野から来た知明子も今年33歳を迎え、若くして苦労した長野での生活を振り返ることもなく、カ... 続きをみる

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  • 「家族」 ちあねー

       敏也は佐々木を伴い長野を訪れていた。出発の前に、 「夏までに、英子さんに山のことを詳しく教えてもらい、トレーニングをしっかりやって体力を付けておけよ」 と綾香に伝えていた。幸い自転車は心肺機能を高める為にも適しており、足の筋力アップにも、普段使うギアを一段上げ、回転数を減らさないことでより鍛... 続きをみる

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  • コラム 「音楽、音学、音が苦」

     なんだか訳のわからないタイトルで始まったコラムです、、、汗  これ、最後までわけのわからない内容と思いますので、、、ご勘弁を  音楽が好きな方って多いですよね、私も大好き。音を楽しむ、と書いて音楽 楽しいことは、ほんといい事。世の中、楽しいことだけなら、どれだけ幸せなことなのか、、、おっと、楽し... 続きをみる

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  • 「家族」 敏也 3

       その後、敏也と大介には大きな転機が訪れ、日本を代表するペット奏者山岸のツアーに参加しないかとオファーが入った。断る理由があるとすれば、今の安定したギャラがツアー終了後になくなることぐらいだ。20代前半の若者に、守りは必要ないであろう。バンドを抜け、およそ2ヶ月間山岸に雇われることとなる。  ... 続きをみる

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  • 「家族」 敏也 2

     ピアニストとドラマーを雇い、「高井義男4」として東京でのライブがスタートした。店の形態もあり、聞いてる客はほぼいない。疎らな拍手でステージを終えるとドラマーの佐藤大介が寄ってきた。 「ナイスベース!いい感じだな。今日はおとなしく叩いて君のプレイじっくり聞いてたんだけどさ、うん、いい感じ。唄ってる... 続きをみる

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  • 「家族」 敏也 1

     敏也は京都の大学に進み、この頃からクラブ回りを始め、プロのミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせた。中学からギターを始めていたが、ジャズクラブや他のプレーヤーから圧倒的に重宝されるベースをプレイしている。  ギターから転向したこともあり、ベーッシックなラインを取るだけではなく、メロディアス... 続きをみる

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  • コラム 「大志」

     昨夜、みなさんのブログを拝見させてもらった中に、素敵な言葉が載せられていたいたブログがあり、改めて感動をしていました。 「青年よ大志を抱け」  明治初期に、札幌農学校を開校し、キリスト布教にも努めたクラーク氏の言葉です。上記の言葉はあまりにも有名でご存知の方も多いでしょうが、そのブログには 「こ... 続きをみる

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  • 「家族」 夫婦 2

     敏也は渡辺夫妻に夫婦の理想の形をイメージする。婚姻後、20年近くの歳月が流れるがお互いを認め合い、人目を気にすることなく仲睦まじい夫婦である。  家族への愛も何時しか薄れ、お互いに関心もなくなるのが多くの日本人であると思う。そしてまた敏也にも夫婦の危機が迫っている。  年老いたとしても二人の愛、... 続きをみる

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  • 「家族」 夫婦 1

       新年が明けるとギャラリーでは、元旦から家族写真の撮影に予約の客が訪れる。写真館で撮影は行われるのだが、ギャラリーではカメラマンに敏也を指名する客を招き、趣の変わった撮影が行われる。  ここ数年来、毎年3日の最終日に予約を入れる客がいる。映画俳優の渡辺晃と啓子夫妻だ。敏也が渡辺の主演映画の音楽... 続きをみる

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  • コラム “NB”

       最近街中でこのロゴをよく見かけます。靴もウエアも、、、  そしてなんと自転車まであるんですよね、びっくり。きっと委託生産でロゴ貼ってるだけって思うんですけど、、、ちなみに、私もこの ニューバランス のチャリ用ウエア持ってます、はい。本職は「靴屋さん」ですね。  で、今回のコラムはこの「ニュー... 続きをみる

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  • 「家族」 登山資格 2

     敏也は連休中も、自宅に戻る気配は見せず、カフェに滞在を続けている。もちろんカフェでの宿泊は全ての従業員に許されるもので、役員とて例外ではない。休日前夜には知人、友人を伴いカフェで宿泊し、早朝に山を目指す写真館のスタッフも多い。  綾香は敏也から借りた本に集中し、連休中の時間の多くを読書に費やして... 続きをみる

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