紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” むらさき2

 現在、生理学では味の基本要素は「旨み」を加えて5つとされているが、欧米人にはなかなか理解できない味のようだ。人にとって、くうねるやるが最も大切であり、楽しいことでもあり、より繊細に味の識別が出来、食事を楽しめる幅が広がることはとても素晴らしいことだ。


 人の味覚は離乳時から形成が始まるとされる物や、母体内で羊水を通じ形成されているとかいろいろで、正直何が正しいのかはよくわからない。ただ、子供の味覚は体の成長と同じく乳幼児期に著しいスピードで形成されていき、生後から乳児期は味をつかさどる味蕾(みらい)の数が最も多く、味覚が鋭敏な時期であることは間違いない。幼児期にはある程度完成されてしまうものなのかもしれず、繊細な味が識別できるようになるにはとても大切な時期だ。


 マックの戦略?もここにあり、この時期に「味を覚えこませ」生涯離れることもなく、また、自分の子供を連れ、マックに足を運んでくれるであろうと言うものらしい。人の知恵とは恐ろしい、、、


 日本は古来より淡白な食事であることが多く、質素であるが故に、素材の味が存分に楽しめるよう味付けも工夫されてきたのだと思う。シンプルにお塩で頂くものや、素材の味に、より複雑な旨みを加える醤油は欠かせないもので、そんな調理法から日本人の舌が養われてきたのだと思う。


「西洋料理だと白身のお魚とかは何を使ってもそのソースの味でしかないけど、お刺身で頂いて素材の持つ味がはっきりわかるし、魚の生臭さもお醤油が消してくれるわ。煮物やタレにお醤油使うときも、素材にあわせて味醂と併せる量や濃さも調整しますもんね」


「そうですね、それに旨みはデンプン質ととても合いますから、お出汁をきかせた蕎麦やうどんもいいですよね。日本食にはなくてはならない調味料です」


「日本人には大切なものなんですね。私達のビーエとヴルストと同じね、あ、ビールとソーセージのことね」


「あ、ハーブのセージを入れないとソーセージって呼べないとかあるんだよね」


「もう、それは本当ではありませんね。セージはほとんどの方が入れますけど名前とは関係ないです。フランス語ではソーシスsaucisse、イタリア語ではサルシッチャsalsicciaと言いますね。日本みたいに何でも縮めたり言葉を繋げたりしないです」


「げっぇ、、、私はてっきりセージが入るからって思い込み、、、じゃあ、ウインナーとソーセージの違いは何?」


「全部ソーセージ。ウィーンは羊の腸に詰めるのでウィンナーね、豚の腸がフランクフルト、牛の腸がボローニャ」


「なるほど~、その土地で使う腸が違って太さが変わるのかぁ~」


「前に赤いウィンナーあって何だろう~って思って買ったら変なお肉だった」


「あれはお魚さんなの」


「魚?そんなのないです。もう日本は偽物ばっかりですね。もう、ウィンナーとかソーセージって呼んじゃだめです。日本の物なら日本の名前を付ければいいんです」


「日本は確かに他国の文化を取り入れて、配慮がないですからね。あまりにも自分勝手で残念だと思います」


「でも、日本人にとって大切なお醤油はきちんとしてるんでしょ?」


「う~ん、そう言われてしまうと心苦しいものがありますね」


                                      続く


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