紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

出来ることならば初話からお読み頂ければ幸いです。

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 連載中

“Soul bar-IORI” 魔法

 
 店のオープンである。表の看板に電気を点しに外へ出ると、雨が降り、肌寒さを感じる。今日も暇な一日になりそうだ。もし、私に魔法が使えたなら、雨を止ませ、カウンターは素敵なお姉様で溢れ、、、って、止めておこう、悲しくなるだけだ。


 BGMを考えていても、魔法が頭から離れない。そうだ!このおじさんがいい。ピッキングはあたかも羽毛でギターを奏でるがごとく優しく、そして時には激しく、エフェクターを使わずシールド一本で、まるで魔法をかけたように多くの音色を出すギターリストだ。



David T. Walker - Lovin' You (Live) [Official Video]


 このギターリストはR&B界の重鎮で、参加アルバムが軽く1000枚を超え、多くのミュージシャンからも愛されていてる。ジャクソン5時代も含め、マイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダー、マーヴィン・ゲイなど、、、私の大好きなクルセイダーズも含め素晴らしいミュージシャンのレコードに名前がクレジットされているのだ。また、日本のミュージシャンからの依頼も多く、井上陽水、上田正樹などのレコーディングにも参加をしている。あまり嬉しくはなかったが、ドリカムとも演てたな、確か。


 後、このビデオでドラムスを叩いてるレオン・ンドゥグ・チャンクラー。カタカナ表記が難しいのだけれど“Leon N'dugu Chancler”と綴ります。このドラマーもマイケル・ジャクソン、ドナ・サマーなどのソウルからマイスル・デイビス、クルセイダーズ他、多くのジャズミュージシャンとも競演しているドラマーで、なんと、彼は私のこと「友達」って言いました、、、(意味不明)で、秘蔵のツーショット写真を、お店に目立たないように小さく飾っておきます。おっさん二人のツーショットも寂しいけど、、、



 カラン、カラン 呼び鈴が来客を知らせると、先日来店をしてくれたピアニストの女である。


「いらっしゃいませ」


「また、来ちゃいました。あっ、マスターお酒の前にお水一杯頂けませんか?」


 30を過ぎ、肌を気にしてドラッグ・ストアで買い求めたサプリメントを服用するそうだ。「コラーゲン」、肌に張りと艶を与え、関節の痛みも改善すると言う。お水を出し、


「まるで魔法のようなお薬ですね」


「はぁ、はぁ、はぁ、魔法ね、確かに。ちょっとサプリの中でも高目よね、これ。でもこれで肌がツルツルになってくれれば」


「はぁ、はぁ、はぁ、それは難しいんじゃないでしょうかね」


「え?だってすごい人気なんですよ、この商品」


 コラーゲンは、真皮、軟骨などを構成するタンパク質で、人の全タンパク質の30%を占めているとても大切な成分だ。しかし、コラーゲンを口径摂取し、果たしてコラーゲンに成るものなのであろうか。コラーゲンもタンパク質の一種で消化、吸収にはとてつもなく手間隙のかかるものであり、当然コラーゲンのまま体内に吸収されることは、あり得ない。仮にそのまま吸収されるようなことがあれば、間違いなく消化器系の疾患を疑った方がいい。診療をおすすめする。


 そして消化器官は、タンパク質を識別する能力など持ち合わせてはおらず、すべて同じタンパク質として処理されてしまう。体内でコラーゲンが生成されるのは、また、別の話である。


「え~、1600円もしたのに、これ」


「返品しましょうよ、1600円あれば、うちでハーパー2杯飲んでお釣りきますから」


「、、、封、開けちゃいましたよ、もう、、、」


 美容、ダイエットにとサプリなどがもてはやされるが、科学的にさほど根拠のあるものではないようだ。ただ、効果があると信じ通すことによって、身体になにかよい反応が出ることがあるのかもしれない。魔法が効いたかな?科学に「絶対」などはなく、信じるも信じないも自由である。


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