紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

出来ることならば初話からお読み頂ければ幸いです。

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 連載中

“Soul bar-IORI” 和製英語1 


 言葉は進化をして定着する。漢字を使った言葉で、中国では通じず日本でしか通じない言葉もたくさんあり、これらはれっきとした日本語なのであろう。


 かつて中国文化が流入してきたようにアメリカ文化が流入し、英語を真似るのが流行した結果、同じことが欧米諸国の言葉を表すカタカナの世界でも起きてきた。これらの言葉を「和製英語」と呼ぶが、決して英語ではない。英語を真似た日本語であろう。


 明治以降の日本は欧米に恋焦がれる指導者層の影響から、急速に欧米崇拝思想が広まった。和製英語は無学に由来する外国語の誤用、濫用の一面も持ち合わせており、国際社会の仲間入りを果たした今では、あるべき姿ではないと私は思う。ただ、日本人の豊かな言語創造力としてみれば面白い。実際に私も「和製英語」と呼ばれるカタカナ表記の日本語を使うことが多いし、使わなければ会話すら成り立たない。最も怖いのは、和製英語と知らずに使っていることかもしれない。



Sadao Watanabe - Nice Shot!


 カラン、カランとドアベルが鳴り客の来店を知らせると、優子、クリスティーネともう一人、海外からの女性だ。


「いらっしゃいませ。3名様ですね、お好きなお席にどうぞ」


 カウンター中央に座った女性3名、まるで米倉涼子にジュリア・ロバーツ、キャメロン・ディアスが店に来ているような夢のような感覚だ、う~ん幸せ。


「お飲み物はいかが致しますか?」


「私はハーパーのロック」「私はカールスベルグを」“Give me a beer”


「かしこまりました」“Choose a beer”


“Budweiser”


「マスター英語話せるんだ~」


「ほんの少し、片言の日常会話だけですけどね」


 カラン、カランとドアベルが鳴り来店を知らせると、男二人の新規客だ。女性との間を一つ席を空け腰を降ろした。バーボンのコーク割りを二つ頼まれ提供したが後は放置だ。私は素敵な女性との会話を楽しみたい。その後、男二人は私を介して女性達の会話に加わっていたが、直接話すことを試みている。不躾な質問をしなければ良いのだが、、、


 男の一人が日本語が堪能なクリスティーネに話しかけているが、彼女には通じていないようだ。


「え~と、マイネームイズミキヤ・タキモトです。ふぅ~。ドゥーユーライクジャパン?ジャパニーズ?」


 発音や、正しい英語なのかと何度も何度も言い改め話すと、彼女はドイツ語で捲くし立て始めた。私にはドイツ語はまったく理解不能で、理解できることは、彼女が怒っていることだけだ。
                                      続く


“Soul bar-IORI” ブーム


 “boom”ブームとは英語で表される擬音語で、「ドーン」とか「バーン」の意味である。日本で使われる「流行」とかの意味合いとは異なり、外国の方に“It's my boom”とか言ったところで、何を言ってるんだろうこの変な人と思われることは間違いない。


 「流行」を表す英語は“popular”(人気)であったり“fashion”“trend”(傾向)などを使うことが多いみたいだ。また、あっと言う間に過ぎ去ってしまう流行などは“fad”「気まぐれ」と“latest”「最新の」を組み合わせ“This is latest fad”と表現をする。ブームとは経済効果を狙った創作かもしれない。嫌な思いを残すこともあるようだ。


 ポピュラーなジャズ・ヴォーカルをBGMに選んだ。



ルイ・アームストロング~What a Wonderful World.


 ルイ・アームストロングは文筆家としても知られ、多くの名言を世の残した音楽家である。


「もしもイエス・キリストが黒い肌で行進をなされば、やはり彼らは殴打するのだろうな」


「途中であきらめちゃいけない。途中であきらめてしまったら、得るものより失うもののほうがずっと多くなってしまうから」


「自分の演奏について説明が要るようなら、演奏などするべきではない」


「僕たちの演奏しているものは人生だ」


 カラン、カランとドアベルが鳴り客の来店を知らせると、新規の40代と思われる女性が一人で入ってきた。


「いらっしゃいませ。お好きなお席にどうぞ」


 女性は隅を選ばずカウンターの中央を選んだ。頑張れ!私。


「お飲み物はいかがなさいますか?」


「何かカクテルが飲みたいな、甘くてしかもお酒がきつくてロングタイプで」


「かしこまりました」


 氷を落としたタンブラーにウォッカを45mℓ入れ、オレンジ・ジュースで満たし軽くステアーし、グラスの淵にオレンジカットを添えた。


「スクリュー・ドライバーでございます」


「ありがとう。なにかいい感じね、流行に流されない音楽もお酒も素敵。私は流行なんて大嫌いっ!」


「さようでございましたか。価値観は人それぞれですけど、振り回されないことは素晴らしいことだと思いますよ」


「私は一度もブームに乗れなかったわ」


「・・・・乗れなかった・・・・ですか?」


「そうよ、私が女子高生の頃、女子大生ブームが真っ盛り。女子高生なんて子供扱いされて見向きもされなかったわ。私も早く女子大生に成りたいってあこがれたわ。受験勉強し、やっとの思いで大学に入って、ブームの中心になれる~って思ったら、もうその時は女子大生なんておばさん扱いで、時代は女子高生よ。頭きちゃったわよ」


「・・・・・」


「ブームなんて馬鹿みたいよね、振り回されてさ」


「・・・・・」


「あ~あ」


「・・・今、熟女ブームですからよろしいじゃありませんか」


「失礼ね、あなた。熟女だなんて、もう帰るわこんな店」


「・・・・・」

“Soul bar-IORI” 38%3


 食料の需給率が最低レベルで廃棄率が最高レベルの国は、世界中何処を探しても日本だけだ。わずかな食料がなく、今も人が命を落としている国が世界には多くある。


 「賞味期限切れ」で、購入後、家庭で廃棄される食品も多い。一見、食の安全を確保するためのものと感じるが、十分に食べることが出来る。期限が切れたら捨ててくれて、また新たに購入してくれれば販売する側はそれでいいのだ。スーパーの廃棄損失は価格に反映されている。人は食品の腐敗を「酸味」で感じ取り、とても大切な味覚だが、日本人の味覚は、多くの添加物、化学調味料で崩され麻痺していく。


 「お金を出せば食べられるでは、感謝の気持ちは育まれませんし、伝統は崩れ、もうすべての食材で紛い物が溢れてますよ。身体も間違いなく病んでいきます。日本の伝統調味料であるみりんや醤油、味噌など、今、あるほとんどが偽物で人為的な化学処理をしたものですから、調味料を使うだけで本来人が口にすべきではないものが身体に入ってきます。多くの化学物質を処理する能力を人は持っていませんし、進化も出来ていないですよ」


「昔ながらの製品が一番安心、安全かもしれませんね」


「ただ、政治、教育の影響もあるのだけど、私達日本人が、豊かさを便利な物資で溢れることだと思い込んでしまい、それを求めてしまったことですよね。企業の効率化を家庭にまで持ち込んで、手のかからない便利なものを選ぶ。便利なものには当然リスクが伴います」


「家庭内での効率化かぁ~、便利なものを私達も求めますからね」


「国民がたくさん仕事してより多くの税金納めてくれ、お金をたくさん稼いで、たくさん使ってくれれば、日本は潤い、政治家は喜びますよね。学校教育も人をそのように育てていきます。まともな食品にお金を費やすのではなく、食料は節約してでももっと便利で高額なものを買ってくれればいいんですよ。高額商品を買うにはもっと働かなければいけませんよね。身体も壊れて家庭も壊れます」


「時間を持て余すこともありますよね、なんでも便利で時間をかけずに済んでしまって」


「持て余す時間は、余暇などに有効利用できればいいのですが、多くの日本人は利己主義ですよね、自分勝手。自分がよければ他人など、家族すらどうでもいい。愛もなければ思いやりも持たないですから、時間を手に入れた主婦で、自己本位の傾向が強い方は、不倫で大忙しではないでしょうかね」


「不倫大国の原因もそこに一理あるんですね、びっくり。政治や教育が大きいですね。身を削り心も病み、一生懸命働いてこんな国しか残せないなんて。政治家、教育者が自己の欲しか考えてませんからね、日本」


「元は家庭と時間を共有する時間を持たされないご主人が原因なのでしょうが、そう辿っていくと日本の社会全体の構図が原因ってことですよね。昔は時間的、金銭的な余裕もなく、家族を守るだけで精一杯だったと思うんです。今はお金が守ってくれますので、子供放って自分の欲求を満たす人も多いんじゃないですかね。残念と言うか、どこまでも痛いですよね。その環境下で育てられた子供が、どう成長していけるものなのか」


「家族に対する思いやりもなくなってしまうんでしょうね。欧米はすべて家族があって成り立ってますもんね。なにより家族が大切なんですよね」


「まったくだと思いますよ。後、食料自給率にはカラクリもあり、農水省関係者の私欲な思惑もどうも隠されているみたいなんです。私にはまだよく理解できていないんですけど、日本人の心が荒んできていることだけは間違いないですね。すべては政治、教育です。政治、教育に携わる者が一番愛と思いやりを持たなければならないはずなんですけど、政治、教育に携わる人の多くが利己主義ですから、国民はそうなってしまいますよ」



Ray Charles - Ellie, My Love