紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

大海原のブログ記事

大海原(ムラゴンブログ全体)
  • 大海原 Dolce

       相方と別れ、車を見送る通りには桜並木が続いている。もう一月も経てば素晴らしい景観を見せてくれるであろう。満開の桜をイメージし交差点を渡り木を間近にすると、驚くほど幹が太く年輪を感じさせる。何十年とこの地に立ち続け、街の、人々の移り変わりを見てきたのであろう。 「また来月来てみよう、絶対」  ... 続きをみる

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  • 大海原 Second piatto 出会い

       相方の営む居酒屋は、出来合いのパック詰めの食材を皿に盛るようなことはせず、また、お店で使う野菜は、身内が販売目的ではない畑で、必要最低限の農薬の使用で生産をしていると言う。手作りの味をコンセプトにした居酒屋だ。繁華街への導線から外れ、しかもビルの二階で、駅周辺とは言うものの、決して立地に恵ま... 続きをみる

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  • 大海原 Second piatto 頂くと言うこと

     バーを出て、駅ビルテナント内のチェーン店に向かった。常連から 「あそこの出し巻きがおいしい」 と言われ試してみたいと言う。美味しいわけないのに、、、と思いながらもお付合いだ。お店を営んでいれば、競合店に行く機会はそうそうあるものでもないであろう。  美味しい、不美味いは、個人の好みもあり適切な表... 続きをみる

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  • 大海原 Second piatto 素敵な日

     対面を果たし挨拶を済ませ、さっそく飲み屋に直行である。どんな店が良いのか希望を聞かれたが、ここはお任せする以外はない。  商売がら気になるのであろう。近くに平日は多くの客で賑わう立ち飲み屋があり、そこに行きたいと言う。サラリーマンが多くを占める街は、土曜日は空席もあり、すんなり入ることが出来た。... 続きをみる

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  • 大海原 Second piatto 難しい問題

     携帯の着信音が鳴った。うとうとしたのであろう。ザックの中から電話を探し確認すると先方からメールが入っている。 「娘の用事で外出しており、連絡が遅くなりました。日立駅に来ることできますか?」 「もちろん行けますとも!」  心の叫びと同じメールの返信をしていた。数回メールをやり取りし、17時に日立駅... 続きをみる

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  • 大海原 Second piatto 勝ったり、負けたり

     駅に辿り着いたので居酒屋を探してみようと思い立った。持っている情報は、駅から数分、ビルの二階、店名でありさほど難なく探し当てることは可能であろう。  駅裏に停めた自転車で表側に回り、辺りを見渡すと飲食店が軒を連ねる場所がある。多くのビジネスホテルもあり、一駅向こうで宿を取ったことを後悔もするが、... 続きをみる

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  • 大海原 Second piatto 気になる、、、

     ホテルを出てとりあえず駅に向かい、めぼしい観光地を探ることにした。駅にはきっと観光案内所があり、旅行会社のパンフレットも置いてあるであろう。周辺地図だけでもかなりの情報は得られるはずだ。それに観光案内所に行けば、綺麗なお姉様がいるかもしれない、、、  楽しみにしていた観光案内所は見つけることが出... 続きをみる

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  • 大海原 Second piatto 信じること

     目が覚め、ベッドに横になりながら、「さて、どうしようか」 と今日の行動を考えてみる。  夕方まで観光がてらサイクリングを楽しみ、居酒屋が開店する頃合をみて伺ってみればいい。居酒屋が存在しない可能性も考えられるが、判明したときに考えればよいことだ。  起き上がり、窓の外を見ると幸いにも晴天だ。きっ... 続きをみる

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  • 大海原 Primo piatto 初めての地

     土浦から乗車した列車はなんと最終列車であった。何時間列車に乗り続けたのであろうか。なんて暇な人なんだろ、私。  目指す駅はもう少しだが、時間がかなりまずくなってきた。居酒屋の営業時間も宿もである。とうとう目的地の駅に着く前に23時をまわり、居酒屋の閉店時刻だ。宿を確実に取るためには、目的地に向か... 続きをみる

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  • 大海原 Primo piatto タバコの害

       列車は横浜で多くの乗客があり、自転車を少し申し訳ないと感じ始めていた。都内に入ると乗客はさらに増し、もうまったく身動きがとれない状態で、自転車に近づくことすら出来ない。  都内の人は毎日こんな生活をしているのだろうか。私にはまったく耐えれそうにもない。綺麗なお姉様と密着であればこの上ない幸せ... 続きをみる

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  • 大海原 Primo piatto 夫婦の姿

     富士の景観を終えると列車は、終着駅の熱海だ。熱海を越える後続列車はなく、必然的に「楽ちん乗り継ぎ計画」は幻に終り、自転車を担ぎホームの移動を余儀なくされる。  出口の案内に向かって進むと、高架を登るのではなく階段を降りるのだ。なんて幸運と思いきや、降りた先には登りが待ち受けている。下りを見た瞬間... 続きをみる

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  • 大海原 Primo piatto 日本人の心

       山間を抜け、列車の車窓からは海が広がる。とてつもなく大きな海。海岸線は自然のままで、複雑な形を成している。何千年もの時間をかけてゆっくりと形創られるのであろう。  遠く水平線を眺めると、ほんのわずかに曲線を描いている。知識として地球が丸いことを知っているが、普段感じることはない。  自然が創... 続きをみる

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  • 大海原 Primo piatto お酒なんか、、、

     名古屋駅から列車に乗り込み、最初の終着駅に到着だ。高架を渡りホームを移動し、引き続き上り列車を待つ。  この先、ホーム移動が何回あるのだろうか。自転車が重く感じる。目的地を曖昧にしたまま出発したので、新幹線を利用せず、いつでも途中下車出来るように普通列車を選んでいた。のんびりと車窓を眺められる普... 続きをみる

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  • 大海原 Primo piatto 素敵なお酒

     名古屋駅に着き、ビールとつまみを買い込み東海道本線に乗り込みだ。何時に着くのか予想もつかない。何処まで行けるのかもわからず、乗車券は名古屋駅分までしか持っておらず、宿も取っていない。すべてが適当である。  今、検札があれば、私は捕まってしまうのだろうか。  「酔っ払いのおっさん、無賃乗車で逮捕」... 続きをみる

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  • 大海原 Primo piatto 幸先の良い旅

     適当に準備をして、私は列車に乗り込んでいた。もちろんチャリンコも一緒である。  以前、旅行するときなどは、日数分の着替えや使いもしなかった物をいっぱいカバンに詰め込み出かけていたが、チャリンコで行動し始めると、無駄な物が大きな負担だ。今はチャリンコ用のザックひとつで出かける。どうしても必要になれ... 続きをみる

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  • 大海原 Antipasto

     2月の終りに予定していた仕事がぽっかりと空いてしまった。こんなときは旅に出るのが良い。  日常の休日では、それほど感じることはなく、身体が動くことを求めているのであろう。朝晩はまだまだ冷え込むが、寒さの峠は越え、行動するには丁度よい季節かもしれない。無性に出かけたくなった。  私は普段からよく地... 続きをみる

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