紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

大海原 Primo piatto 夫婦の姿

 富士の景観を終えると列車は、終着駅の熱海だ。熱海を越える後続列車はなく、必然的に「楽ちん乗り継ぎ計画」は幻に終り、自転車を担ぎホームの移動を余儀なくされる。


 出口の案内に向かって進むと、高架を登るのではなく階段を降りるのだ。なんて幸運と思いきや、降りた先には登りが待ち受けている。下りを見た瞬間に喜んだ私は、単なる馬鹿っ。どうせなら先に登りたかった、、、


 好きなものを先に食べるか、後に食べるかとは比べられない。


 熱海駅のホームからは、海や温泉街が望め、ホーム内に下田まで行く観光列車「伊豆の踊り子号」が入っている。少し古めかした車両は情緒があり良いものだ。百恵さんはお元気だろうか。


 この景観に「大江戸」の文字が飛び込んで来る。江戸築城後、城下の繁栄を表した雅語で、場所は特定されているはずだが、広義でその有様を表したようだ。紛らわしいし、熱海に江戸なんて文字はいらない。


 全国チェーンなど日本中から消えてしまえば良いと思うが、そこは資本主義、自由社会だ。ならば、せめて観光地には出店しないとか、出店したとしても地域の景観を損ねない建物であったり、名前だったり考えてくれないものだろうか。


 欲にまみれ、金に節操のない大資本企業や政治家が、日本を壊してゆく。


 下田と聞いて、「ペーリー提督」が最初に思い浮かばなかった私は、自称「幕末研究家」として残念だが、研究家とか評論家は「言ったもの勝ち」のような気もする。


 伊豆半島も機会を作って、自転車で回ってみたい場所だ。きっと素晴らしい景観が待ち受けてくれているであろう。地図を見ると、西伊豆には「旅人岬」なんてあり心惹かれる。近くに「恋人岬」もあるけど行く事はないな、きっと。
 若いカップルで賑わっているなら微笑ましいが、不倫大国日本では、熟年カップルまで、幅広い年齢層が多いのであろうか。日本人は家族を大切にしない国民で、これも豊かになった副産物なのかな。こんな場所で、年老いたご夫婦が手を取り合い海を眺めてるなんて、なんかいいな。


 動物の本能として、オスはより多くの子孫を残す為、メスはより強いオスの遺伝子を残す為の行動を取る。簡単に言えば、オスはそこらじゅうで種を撒き散らし、メスは戦いに勝ったオスと交尾をし、その強い遺伝子を残す。
 男の強さも、原始では腕力だったのかもしれないが、今は経済力とかで判断されるのであろう。 
 男の浮気を助長するつもりは毛頭ないが、本能として持っているものだ。ただ、人には理性がある。機能するかしないかは個人の差もあり、機能しない方の為に、昔からその処理をしてくれる場所が存在する。性犯罪の抑止にもつながり、日本でも以前は国が管理をし、今、現在でも公営の国がある。


 子孫繁栄のための行為には、特に女性側に強い快楽があり、多くの子孫を残してきたのだが、この強い快楽を女性側が他に求め始め、この不倫大国が生まれたのだと思う。仕事の忙しさにかまけて相い方を放置する男、昼ドラなどの影響なのか、危ない恋に憧れを持つ女、いろいろな要因はあると思うが、このまま突き進めば、家族の形は仮面を通り過ぎなくなってしまう可能性も十分にあるだろう。


 子供の人格形成には、親の影響が最も強いと思う。親の姿を見て、結婚を考えない子供は増えてしまうであろう。結婚が幸せとは思えなくて当然だ。他に影響を与えないのであれば、何をしようが本人の勝手で好きにすればいい。


 何か壊れてる、日本。


 熱海からの列車は、上野を経由して埼玉方面に向かう。寝てしまったら大変であり、目の覚めるような綺麗な女性がいることを望み列車に乗り込むが、列車内はガラガラだ。残念ではあるが、満員電車はもっと嫌。人とは欲深い生き物である。

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