紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

大海原 Primo piatto 初めての地


 土浦から乗車した列車はなんと最終列車であった。何時間列車に乗り続けたのであろうか。なんて暇な人なんだろ、私。


 目指す駅はもう少しだが、時間がかなりまずくなってきた。居酒屋の営業時間も宿もである。とうとう目的地の駅に着く前に23時をまわり、居酒屋の閉店時刻だ。宿を確実に取るためには、目的地に向かわず、手前の駅から順に攻めるしかないであろう。


 東京での時間ロスが悔やまれるが、旅にアクシデントは付き物である。致し方ない。それに、上野~大宮の往復は、、、運賃払ってないし、、、おいっ!


 車掌に、駅周辺にビジネスホテルのある駅を聞き降車し、生まれて初めての茨城の地に立った。さっさく自転車を組み立て宿探しだ。


 駅からほんの数分で看板を発見し、「ルートイン」を当たってみた。熊本で利用したホテルで、大浴場も備え、朝食もおいしく頂けてとても満足できたホテルだ。


 熊本で素晴らしい対応をしてくれたお姉様は当然居ないが、対応してくれた男性スタッフの顔を見ないように努め、熊本のお姉様を思い浮かべていたことは、言うまでもない。ちなみに駐輪場は不明瞭な場所にもかかわらず、口頭での説明であった。仮に「御案内します」と言われても、「探せますから、大丈夫ですよ」と、答ええていたに違いない。あれほど明瞭な場所を案内してくれた熊本のお姉様は、やはり私に一瞬で恋をしたのだろう。そうしとこっと。


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 部屋に荷物を入れ、食事である。ホテルスタッフに居酒屋を聞き向かってみた。


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 何を食べたか思い出せないぐらい感想がない、、、常連客には居心地の良い店であるのかもしれない。きっと長旅で疲れていたのであろう。

 宿に戻り、大きな風呂を楽しんで飲み直しだ。明日のことは明日、考えよう。
 呑んだくれて、無事に辿り着けたことに感謝、感謝である。


                            大海原 Primo piatto 終り

大海原 Primo piatto タバコの害

 
 列車は横浜で多くの乗客があり、自転車を少し申し訳ないと感じ始めていた。都内に入ると乗客はさらに増し、もうまったく身動きがとれない状態で、自転車に近づくことすら出来ない。


 都内の人は毎日こんな生活をしているのだろうか。私にはまったく耐えれそうにもない。綺麗なお姉様と密着であればこの上ない幸せであろうが、おじさんと密着であれば後日3日は気分が悪いだろうし、平常心を失い暴れ出すかもしれない。幸せを感じるられる可能性ももちろんあるが、気分を害するリスクがある以上、やはり避けたい。


 もう人を掻き分け、自転車に向かい降車の準備をすることは出来ず、上野をやりすごし、列車内が空くのを待つしか方法は見つけられなかった。こんな状態で自転車を輪行させてしまい申し訳ないのと、都内で自転車と列車を組み合わせることの難しさを実感したのだ。何があっても東京などには住みたくないし、住めない。きっと私は、壊れてしまうであろう。恐るべき東京。


 大宮を過ぎ、ようやく自転車をほどく余裕ができ降車が可能だ。「東京縦断おじさまと密着の旅」など、何があっても避けたい。考えたくもない。


 上野に戻り常磐線に乗り換え、さらなる列車の旅を続け、終点土浦に到着だ。ホームには、在来線では見かけなくなった喫煙コーナーがあり、存分にたばこを楽しめる。


 タバコはどれだけ悪者扱いされようが、止める気はまったくない。これも人の持つ欲に過ぎないでろう。ただ、他人に不快な思いをさせて吸うつもりもない。


 確かにタバコは、活性酸素を発生させる点では害があるであろう。ただ、多くの人はタバコ以上の有害物質を、好んで体内に取り入れていることも忘れないで欲しい。この世の中はいったいどれだけの発がん性物質が蔓延しているのか。口径によって体内に取り入れられる物も含めてである。


 タバコを嫌うのも自由であり、思うことを発言すれば良いと思う。私も嫌なことははっきりと口にする。ただ、タバコを悪玉に仕立て上げる施策だけに流されないで欲しいとは願う。タバコを悪者にさえしておけば、隠れてしまう部分があり、より多くの利益を生むことも事実である。


 タバコは、吸うより吸わないのが好ましい程度だと認識している。実際に喫煙をすれば活性酸素が発生し、その除去に大量のビタミンCが消費される。喫煙者は非喫煙者よりも多くのビタミンCを摂取することが必要かもしれない。


 ちなみに自転車を漕いでも活性酸素は発生します。

大海原 Primo piatto 夫婦の姿

 富士の景観を終えると列車は、終着駅の熱海だ。熱海を越える後続列車はなく、必然的に「楽ちん乗り継ぎ計画」は幻に終り、自転車を担ぎホームの移動を余儀なくされる。


 出口の案内に向かって進むと、高架を登るのではなく階段を降りるのだ。なんて幸運と思いきや、降りた先には登りが待ち受けている。下りを見た瞬間に喜んだ私は、単なる馬鹿っ。どうせなら先に登りたかった、、、


 好きなものを先に食べるか、後に食べるかとは比べられない。


 熱海駅のホームからは、海や温泉街が望め、ホーム内に下田まで行く観光列車「伊豆の踊り子号」が入っている。少し古めかした車両は情緒があり良いものだ。百恵さんはお元気だろうか。


 この景観に「大江戸」の文字が飛び込んで来る。江戸築城後、城下の繁栄を表した雅語で、場所は特定されているはずだが、広義でその有様を表したようだ。紛らわしいし、熱海に江戸なんて文字はいらない。


 全国チェーンなど日本中から消えてしまえば良いと思うが、そこは資本主義、自由社会だ。ならば、せめて観光地には出店しないとか、出店したとしても地域の景観を損ねない建物であったり、名前だったり考えてくれないものだろうか。


 欲にまみれ、金に節操のない大資本企業や政治家が、日本を壊してゆく。


 下田と聞いて、「ペーリー提督」が最初に思い浮かばなかった私は、自称「幕末研究家」として残念だが、研究家とか評論家は「言ったもの勝ち」のような気もする。


 伊豆半島も機会を作って、自転車で回ってみたい場所だ。きっと素晴らしい景観が待ち受けてくれているであろう。地図を見ると、西伊豆には「旅人岬」なんてあり心惹かれる。近くに「恋人岬」もあるけど行く事はないな、きっと。
 若いカップルで賑わっているなら微笑ましいが、不倫大国日本では、熟年カップルまで、幅広い年齢層が多いのであろうか。日本人は家族を大切にしない国民で、これも豊かになった副産物なのかな。こんな場所で、年老いたご夫婦が手を取り合い海を眺めてるなんて、なんかいいな。


 動物の本能として、オスはより多くの子孫を残す為、メスはより強いオスの遺伝子を残す為の行動を取る。簡単に言えば、オスはそこらじゅうで種を撒き散らし、メスは戦いに勝ったオスと交尾をし、その強い遺伝子を残す。
 男の強さも、原始では腕力だったのかもしれないが、今は経済力とかで判断されるのであろう。 
 男の浮気を助長するつもりは毛頭ないが、本能として持っているものだ。ただ、人には理性がある。機能するかしないかは個人の差もあり、機能しない方の為に、昔からその処理をしてくれる場所が存在する。性犯罪の抑止にもつながり、日本でも以前は国が管理をし、今、現在でも公営の国がある。


 子孫繁栄のための行為には、特に女性側に強い快楽があり、多くの子孫を残してきたのだが、この強い快楽を女性側が他に求め始め、この不倫大国が生まれたのだと思う。仕事の忙しさにかまけて相い方を放置する男、昼ドラなどの影響なのか、危ない恋に憧れを持つ女、いろいろな要因はあると思うが、このまま突き進めば、家族の形は仮面を通り過ぎなくなってしまう可能性も十分にあるだろう。


 子供の人格形成には、親の影響が最も強いと思う。親の姿を見て、結婚を考えない子供は増えてしまうであろう。結婚が幸せとは思えなくて当然だ。他に影響を与えないのであれば、何をしようが本人の勝手で好きにすればいい。


 何か壊れてる、日本。


 熱海からの列車は、上野を経由して埼玉方面に向かう。寝てしまったら大変であり、目の覚めるような綺麗な女性がいることを望み列車に乗り込むが、列車内はガラガラだ。残念ではあるが、満員電車はもっと嫌。人とは欲深い生き物である。