紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” 美


 11月がもう間もなく終ろうとしている。1年など瞬く間に過ぎ去ってしまう。繁華街のクリスマスの飾り付けが、時の流れるのを一層、早く感じさせるのかもしれない。


 人が持つ時間は同じであるはずだが、感じる長さは人それぞれであろう。特に加齢を重ね、時の流れを早く感じる。以前に読んだ本の一説を思い出した。


「一年は送った人生の年齢分の1である。10歳の子供の一年は10分の1であり、50歳の人は50分の1であり、歳を重ねると一年を早く感じる」


 なるほどと思いもしたが、感じることの理由などを解明したところで、然したる意味はないであろう。感じ方は人それぞれで、加齢と共に長く感じる方がいても不思議ではない。買出しを済ませ店に戻る途中、こんなことを考えていた。


 さて、オープンだ。BGMは“The Crusaders”のピアニストが出したソロアルバムをかけよう。



メロディーズ・オブ・ラブ  ジョー・サンプル


 愛の持つ切なさや優しさ、激しい感情をメロディに託しているのだと感じる。もちろん私の勝手な解釈である。


 美しいと感じることも定義など存在せず曖昧だ。人それぞれに思い、感じることは違い、何をもって美しいとするかも個人的な主観に過ぎない。


 ジョーの奏でる美しいメロディに耳を傾けていると、ベルが鳴り来客を知らせた。一見、綺麗に着飾った30代後半と思われる女性二人組だ。


「いらっしゃいませ。お二人様でよろしいですか?お好きなお席にどうぞ」


 カウンターの隅を選ぶと思ったが、ほぼ中央の席を選び腰を降ろしていた。


「お飲み物はいかがなさいますか?」


「そうね、カクテルがいいかな、メニュー見せてくれる?」


 あいにくドリンクのメニューは作っておらず、棚をにある酒を選んでもらっている。そして、カクテルは、ほぼ一般的なものを作る材料も、レシピも持ってはいる。


「そうね、じゃあ私はギムレットもらおうかな」「私は、マティーニ」


 水商売に携わる感じではないが、カクテルを指名するなど手馴れた様子だ。シェーカーとミキシング・グラスに材料を入れ、最後にマティーニに振り掛けたレモン・ピールが刺激的な香りを漂わせる。並べたカクテル・グラスにそっと注いだ。シェイク、ミキシングされ、程よく冷やされたカクテルでグラスに色を添え、瞬時に冷やされ曇りを帯びたグラスと相まる。


 女達の何気ない会話の内容から察する年齢と、見た目から想像した年齢とは大きくかけ離れているようだ。多くの女性はいつまでも若く美しくあることを望み、その努力も惜しまないのであろう。


 老いることは、多くの不を伴うことは紛れもない事実で、体力的にも衰え、身体にも支障をきたすことがある。衰えを少しで遅らせようと思い努めることは、決して悪いことではないが、派手なメイクを施し着飾るのは現実逃避なのかもしれない。過度な誤魔化しには一夜を共にした朝、驚かされることもある。「誰?」決して詐欺ではない、私の勝手な思い過ごしだ。


 女性の思考回路とは異なり、男は素を求めるのではないだろうか。多いにして女性は現実的であり男が理想を求めるが、こと、この件に関しては、より女性が理想を求めるのであろう。年齢相応に美しくあれば、それで良いのではないかと思う。野生に生きているわけではなく自然のままではないが、人としての美しさは過度に着飾らない姿にあり、内面から醸し出されるものだ。


「美しいのは花そのものではなく、そう感じる心である」


 九州を旅し、唐津の寺院で見た言葉を思い出した。

“Soul bar-IORI” 変装3

 
 インフルエンザ・ワクチンは予防の観点からは、まったく接種する意味はないと私は判断している。しかし、私が無駄と判断したように、意味のあることと判断し接種する方を否定するつもりはない。ただ、問題なのは、人、行政も含み、これらに流され接種してしまうことを懸念している。己の意思をしっかりと持つべきではないだろうか。


 副作用を伴わない薬などこの世には存在しない。一点だけを見て症状に改善をもたらすも他に悪影響を与えてしまう。正に「木を見て森を見ず」のことわざ通り薬は存在している。薬の存在だけに留まらず、医療、社会全体に言えることなのかもしれない。


 BGMはブルース・ロックからJJケールの曲をクラプトンのカバーで。ベースはスタックス、ブルース・ブラザーズのドナルド・ダック・ダン



Eric Clapton Cocaine


「木を見て森を見ずかぁ~。ワクチン接種だけではなく多くののことにあてはまるのかもしれませんね」


「本当にそう思いますよ。日本の行政のすることはその程度のことだと思いますよ。薬を売らないと病院運営が成り立たない、医療の点数制度にも問題があるでしょうしね。木を見ず森だけを見ていても何も解決しないし、木を見て森を見るには志を持った政治家、教育者ももちろん必要でしょうし、私達一人ひとりがどれだけ意識を変えることが出来るかも大切だと思いますね」


「でもお薬は必要ですよね。ないと困る人もたくさんいるはず」


「でしょうね。本当に必要な薬もあるでしょうね。例えば、アレルギーか何かのショックで炎症起こして気管支を塞いでしまったなんて、即座に炎症を抑えないと生死に関わってしまう。もうステロイドに頼るしかないでしょうね。副作用のリスクをどうのこうの言ってる場合ではないと思うし、本当に必要な薬はもちろんあると思っています」


「私の父も血圧が高くて、降圧剤飲んでるし」


「そうでしたか、降圧剤が本当に必要な情況なのかは知りませんけど、多くの場合は高血圧の患者が作られていることも忘れてはいけないですよ。高血圧は医者と製薬会社と行政によって作られた病気ですからね」


「え?どう言うこと?」


「そもそも血圧が高くなるって自然現象なわけですよ。加齢で何かしらの支障が出て、血圧上げないと身体の隅々まで血液が送れないから、身体は頑張って血圧上げてるわけです。身体の防御機能ですよね。必要があってやってること。高血圧の基準もころころ変わって、どんどん患者は増えてます。健康診断の定期健診などで見つかりますからね。高血圧が危険だと洗脳することなど意図も簡単なことで、患者を増やせば素晴らしい経済効果が生まれますよ。高血圧は戦後に生み出された病気のひとつで、今後、新しい病気どんどん増えるかもしれませんね。薬の影響でまた病気にも罹るでしょうし。世の中、金と欲にまみれた世界ですから」


「本来、病気じゃないことを病気にしてるってことですか?」


「一概には言えないけど、近いものがあるのではないでしょうかね。血圧が上がるのは自然の摂理で、必ず原因があるはずです。それは本来食事も含めた生活改善の指導をするべきですよ。でも指導しても点数稼げないから、薬で下げてしまう」


「お父さんに話さないと」


「ただ、急に薬を止めてしまうのも、身体が薬に慣らされていて何か問題があるかもしれませんので、よく調べないとね」


 国だから、医者だからと、安易に信用することではないと私は思う。国は私利私欲に一番一生懸命な方達が司っている。

“Soul bar-IORI” 変装2


「ちょっとBGMチェンジしますね、さすがに日本のバンドでは」



Barry White-Just The Way You Are


 ビリー・ジョエルの「素顔のままで」をバリー・ホワイトがソウルフルにカバーしている。


「まぁ、お呪い、みたいなもんですけどね、ワクチン接種」


「そんな~、お呪いだなんて。予防接種すればかかりにくいし、仮に罹ったとしても、重症にならなくって済むらしいですよ」


「さあ、効果はどうなのかな?ワクチン接種奨励してるのって、製薬会社と国でしょ?細菌学者は、まったく効果がないって言ってるしね」


「効果なかったら誰もしないでしょ?効果があるからみんなするんだと思うけど」


「日本でみんながするって言うことほど、当てにならないものありませんよ。誰かがいいと言えばすぐに右に習えして。日本人は世界で一番洗脳されやすい、しやすい人種だそうですよ。物ではなくマークをありがたがるのも日本人ですしね。右に習えすることで安心感があるんでしょう。韓流ブームだって、日本人を研究した国家戦略ですよ」


「確かにあるかもですね、そんな風潮。私のバッグもヴィトンだしね」


「昔は、インフルエンザの予防接種も学校などで集団接種してたんですけど、効果がないってことと、副作用の心配から止めた経緯があるんですね」


「そうなんだ」


「でも、止めてしまえば困る人が出来てますよね。そう、製薬会社。製薬会社が儲かれば、税金も入り国も助かります。国も健康保険の適用外ですから、医療負担もなくて済むし。製薬会社と国が一生懸命になるの、なんとなく図式が見えてきますよね。マスメディアにしても製薬会社は大切なスポンサーですし」


「でも、重症化するのを防いでくれるんじゃ?」


「上手ですよね、宣伝が。厚生労働省はあくまでも希望的観測を言ったまでで、断言はしてないはずですよ、出来るわけないし。国民の多くがそう思ってくれればしめたものですよね。インフルエンザは風邪じゃない、って言うのも変で、ウィルス性感染症を風邪と言うなら、間違いなく風邪ですよ。恐怖心を煽ってるだけにしか思えませんね、私には」


「効果ないのかな~本当に」


「まぁ、予防接種して抗体ができるのは血液中で、鼻や喉の粘膜にウィルスが入っても何の意味もないですよ。それに数種ある中からどのウィルスが入るかは、かけみたいなものですからね。効果としては、お金を使うことによって生まれる経済効果はあると思いますけど、予防効果はないんじゃないですかね。まぁ病は気からって言うし、安心を買うことでそれなりの効果はあるかもしれませんけど。それからワクチンにはホルマリン、水銀、アルミニュウムが含まれてますから、新たな疾患に罹る恐れもありますよね。薬が新たな病気を作ることも忘れてはいけない」


「予防効果がないのにどうしてみんな摂取するんだろ」


「効果があると信じているからなんだろうけど、イベント的なことじゃないですかね。お正月にお餅を食べるように、この時期には予防接種。日本人が好きなことですよ、イベント」


「・・・・・」


「それにインフルエンザは感染から自然治癒までほぼ一週間。症状が辛いのは3日ほど。感染してからの特効薬としてタミフルがあるんだけど、辛い3日間が2日に短縮されるだけのことで、副作用の方がよっぽど怖いですよ。世界中で作られるタミフルの70%以上が日本に来てますから、どれだけ薬信仰が強い国かよくわかりますよね。世界中の製薬会社にとってとても優良な顧客ですね、日本人」


「病院の先生とかも効果ないことわかって打ってるのかしら?」


「医者がどう考えてるかは知りませんけど、ただ、医者は慈善事業でもなんでもないし、仕事として法律に基づいた治療を行えばいいわけですよね。」


「それは確かに。みんなお金持ちですしね、お医者さん」


「もしインフルエンザに罹ったとしたら安静にし、温めて、それに食欲がなければ食べないこと。食事を取ると消化吸収に膨大なエネルギーが消費され、ウィルスと戦う為に必要なエネルギーも消費されてしまう。食欲がないと言うことは、食べるなと言う脳からの指令ですよ。数日間食べなくても、人は生きていける蓄え持ってますから。身体がウィルスと戦うための最良の環境を整えてあげることが大切で、一週間、天から与えられた休暇と思えばよいのではないでしょうか」


「そうかぁ~」


「効果を信じ接種するのも、効果がないと判断して止めるのも自由ですよ。ただ、みんながしてるからと安易な気持ちで受けないことです。危篤な副作用もあるわけですからね。自分の意思でしっかりと物事を見極めないとね」


「私は、すぐに人に流されてしまうとこあるしな~」


「でしょ?もう今、正に私に流されようとしてますよね」


「もうー!ひどい~~」


「疑問に思うことは、自分で学び、結論を出すことですよ」


                                                        続く