紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

大海原 Primo piatto お酒なんか、、、


 名古屋駅から列車に乗り込み、最初の終着駅に到着だ。高架を渡りホームを移動し、引き続き上り列車を待つ。


 この先、ホーム移動が何回あるのだろうか。自転車が重く感じる。目的地を曖昧にしたまま出発したので、新幹線を利用せず、いつでも途中下車出来るように普通列車を選んでいた。のんびりと車窓を眺められる普通列車の旅は嫌いではないが、自転車を担いでのホーム移動が苦痛だ。お酒のせいではない、きっと。


 元々容量が少なく、お酒で働きの鈍った脳であるが、列車の時刻表と睨めっこしてる間に、終着まで乗らずその手前で降りれば、後発に、さらに先に行く列車があることが判明した。これでホームを移動せずに乗り継げるかもしれない。


 列車がホームに入り、乗り込み自転車を括り付け座席に着くと、少し眠ってしまったようだ。綺麗な景観や、美しい女性を見逃してしまった可能性がある。


「しまった」


と思うと、車内にアナウンスが流れ


「次は~終点○○~○○~」


 仕方なく下車し、高架を渡りホーム移動である。「楽々乗り継ぎ計画」は遭えなく失敗だ。お酒の飲みすぎは注意が必要だ。


 駅構内は至る所に「大河ドラマ」の幟やポスターなどが飾られている。ドラマ放映期間中にはに多くの観光客が集まり、とてつもない経済効果を生み出すのであろう。自治体が、郷土の生んだ偉人とおぼしき人物を、大河ドラマの主人公に取り上げてもらう為の運動まですると言う。


 賛否両論あるのだろうが、一過性に過ぎないのは過去の事例が証明している。日本人は、ブームに流されることが好きな方が多いようだ。


 今でも韓国ドラマとかKポップスって流行ってるんだろうか。もちろん人にはそれぞれに趣味趣向があって当たり前で、他人から非難される筋合いのものではないが、あまりにも流され過ぎているのではないかと感じてしまう。娯楽である以上、何を選び何をどう楽しむかは個人の自由だが、


「右に習え」


的な安心感から選んでいるような気がする。もっと「己」を持って欲しいと思うのは、私だけであろうか。


 日本では今後新たな文化は創造できず、過去に完成された文化も忘れ去られてしまうであろう。

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