紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” 元ゲリラ4

「根本解決させることが大切なのに、日本の政策って臭いものにはふたをしろ的なところ多いですもんね。一時凌ぎで給付金を出したところで何の解決にもなんないもんな」


「そうですね、根本解決しようと思ったら、政治家の立場が危うくなってしまう人達だらけですよ。一度権力を手にした者達は、見す見す逃すようなことはしませんからね」


「政治もお金儲けですもんね。その年齢に適したことを経験し過ごせば、決め事みたいに適齢期を押し付けられるのではなくて、子孫を残すべき年齢に達したら自然とそうなるかもしれませんよね」


「誰だって幼児期から成長と共に相応しいことをしていける世の中が必要なんじゃないですかね。ときには道を外れることだって仕方ないわけですよ。それをきちんと経験し卒業して社会に出ればいいんです。押さえつけられて、学ばず卒業できてない人が多いから問題も出てきます。凶悪犯罪が後を絶たないのもそんなことが原因のひとつだと思いますね」


「多くのことを学び、卒業して子供を育てる時期を迎える。なるほど」


「でも、結婚して幸せってみんな思ってるのかしら。離婚率も高いし私は結婚が幸せなことだなんてとても思えないな」


「おっしゃる通りですね。人が生物である以上、自然の持つ摂理から大きく外れれば支障を来たすのは当たり前なんですよ。生物として人は群れで行動し、単独では生きていけない生き物です。農耕にしても狩猟にしてもね。問題は、その大切さを養う前に大人にさせられてしまうんです。幼児期にその大切さは十分に学べるはずですけども、多くの人が卒業証書をもらえていないんです。これは日本人がアメリカに憧れ真似をし、個人主義を間違った認識で取り込んでしまったことも原因です。家族と一緒に過ごす時間があまりにも少ない日本の構図にも問題があります」


「日本人の多くが右に習えをしてきて、個の意思が尊重されるのはいいことだとも思いますけど」


「人の意見に流されないで、自己の意思を持ち、それを唱えることはとても大切です。しかし、アメリカの個人主義とは決して放置ではないんです。愛する家族と共に過ごす時間は日本の比ではありませんし、子供がある年齢に達したら個人の部屋を与えますが、それは寝室、寝るだけに存在する部屋です。その時間までは家族で過ごします。日本みたいに何日も家族の顔を見ていないなんてあり得ないことですよ」


「日本は確かに子供が学校から帰って自分の部屋に篭りっぱなしで、何をしてるかわからない、なんて家庭がほとんどですからね」


「そこから、家族の絆、大切さなど育まれるわけがないんです。子供に責任はないですよ、大人が無関心だから無関心な子供が育ってしまうだけです。そべては大人の責任です。アメリカは個人主義って大笑いですよ、これほど個人主義、自己勝手な民族は、世界中探したって日本ぐらいでしょうね」


「確かにアメリカの人って奥さんの出産で仕事を休んだり、家族と一緒にいることを最優先しますね。弱者に対してだけではなく、他の人への配慮もちゃんとしてます。愛に満ち溢れている気がしますね、人にだけではなく、愛国心も」


「アメリカの個人主義と日本の個人主義は根本の部分でまったくの別物です。明日香さんが言われるように、結婚が幸せって思う日本人は少ないかもしれませんね。日本人にとって大切なのは、生物としてもっと自然体でいることなんじゃないかって思うんです。人にとって一番大切なのは家族です。そこから人を愛すること、思いやることを学んで行きます」


「戦後からの復興、より強い経済を目指して多くの犠牲を省みず働いてきたことが、今も引きずってしまってるんですね」


「もう、これ以上の経済発展など人には必要のないものなんです。これ以上の発展を目指せば、そこで得られるものは破壊でしかありませんよ」


                                      続く


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