紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” 雑菌天国1

 原始地球から今もなお生き続ける微生物。環境の劇的な変化で絶滅した生物がいる中、これ、凄いこと。とかく人からは嫌われ、除菌グッズが多くの店頭に並んでいる。見えてもいないものに、これほどの存在感があることも、これまた凄いこと。生物学などまったく理解せず、多くの認識違いもあるかもしれないが、嫌われ者の菌を考えてみた。


 BGMはこの曲で。「ダンス天国」菌達も踊っちゃうかな

Wilson Pickett - Land of a Thousand Dances (HQ)
 カラン、カランと呼び鈴が鳴り客の来店を知らせると、新規の女性客が現れた。


「いらっしゃいませ。お好きなお席にどうぞ」


「ごめんなさいね、嫌味じゃないんですけど、こうしないと」


 女性はバックから除菌シートを取り出し、椅子を拭き上げてから腰を降ろした。あまり気分はよくないが、止めるわけにはいかないであろう。そしてビールを頼み、注いだグラスの泡を確認し口を付けた。確かに汚れたグラスにビールを注げばグラス内面に気泡が付き、ビールの味も落としてしまう。私も油を多用する中華店などでビールグラスにぞっとすることもある。飲食を営むのであれば、最低限守るべきことはあるはずだ。味を落としてしまう要因などあってはならない。


 女性との会話はさほど弾むことはなく時間が過ぎ、彩香と明日香が顔をだした。明日の日曜に電車で名古屋に出かけ、あんスパと台湾らーめんを堪能する予定だと話す。そしてカウンター上に置いてある除菌シートから、菌の話に移ったようで、女性3人の会話が始まった。


「いつでも使ってくださいね」


「大丈夫ですよ、私、菌なんて気にしたことないですから」


 彩香が声を上げ高らかに笑うと、女性は菌の有害性について語り、除菌、殺菌の必要性を説きだした。明日香は除菌関連の製品を買った経験がなく、女性の強い勧めで、購入を検討しだしすと、彩香が話し始めた。


「除菌、除菌って馬鹿じゃないの。菌は危険だって煽られて商品買わされてるだけでしょ、そんなの。あんた達の顔の1cm四方にどんだけ菌がいると思ってんのよ。億よ、億。そんなに菌が嫌なら、顔面に除菌スプレーしなさいよ」


 人の数だけ考え方もあり押し付けたり改めさせることは至難の事で、そこから多くの問題も発生する。ただ、私は除菌関連の商品は過剰な宣伝に煽られている気がする。除菌とは必要なものなのか、必要ではないのか、はたまた、してはいけないものなのか、、、


                                      続く


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