紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” お茶 中国茶編1

 私は中国茶葉と茶器のセットを持って自宅を出た。明日香に紅茶について教えてもらった礼に、美味しい中国茶をご馳走するためだ。別に下心はない。私は狼ではなく、おっちゃん。


 日本での中国茶の代表烏龍茶の輸入は、1970年前から少しずつ始まり大阪万博で広まった。中国政府や福建省政府が地道なキャンペーンをし輸入量は2トン。国交が正常化されておらずこの数値も致し方ないと思うが、'72年の日中国交正常化以降は伸びたのか。いやいや、そんな簡単に物が売れるわけはない、はず。ところが、'79年以降烏龍茶の総輸入量は280トンを越え急増した。そして'81年には缶入り烏龍茶が世界で初めて産声を上げたのだ。何があった日本。


 BGMは日本を代表する素晴らしい女性デュオから選んだ。



ピンクレディー SOS 【高画質、wide】


 カラン、カランと呼び鈴が鳴り客の来店を知らせると、約束通り明日香が彩香を連れて顔をだした。



「何、この曲は!」



「いや、今日は中国茶ですから、中国茶と言えば烏龍茶で、烏龍茶と言えばこのお二人ピンクレディなんですよ。CD買ってきちゃいました、ベスト盤」



「アホっ!もう辞めて~聞きたくないって、遭難しそう、助けて~ ♪えっすおーえっす えっすおーえっす♪ え~っと、私は先ずはジンロックね」



「乗ってきましたね~」



「でも、このお姉さん達と関係あるの?あっ、狼の顔した羊のマスター、私はお紅茶を先ずもらおうかな、コーヒーサーバー入りの、コーヒーカップで」



「・・・・・ここはメェ~って返事をすればいいんでしょうか。この素敵なお姉様方がテレビで『美容のために烏龍茶を飲んでま~す』って言ったら日本の烏龍茶の輸入量が100倍以上に膨れ上がったんですよ。ちなみに私はジャケット写真の左側のミーちゃんのファンでして」



「ミーハー!隣の方は『ハーちゃん』だったりして。もう、マスター遭難しちゃって下さい、メェ~はやぎさんだし、、、ねえ、その頃の日本人って、お馬鹿さんなの?」



「・・・・・」



 烏龍茶の広がりは留まることはなく、多くの飲食店でメニューに載る。飲み方はアイスがほとんどであろう。中華料理店でも最初に温かいジャスミン茶を無料提供してくれるお店でも、有料の烏龍茶を頼めば氷の入ったグラスに烏龍茶が注がれ提供される始末だ。コーヒー、紅茶もどうして日本人はアイスが好きなのだろうか。香り、味共に広がりを見せるのは温かい状態がより好ましいと思うのだけれど、私の味覚がおかしいのであろうか、、、



 ダイエットに良いとされる烏龍茶は、茶に含まれるポリフェノールが脂肪分解の働きを邪魔し、体内に吸収されることをある程度防ぐことは可能だと言う。ただ、烏龍茶は有機溶剤でも界面活性剤でもなく油を分解する能力は持っていない。すでに身になっている脂肪を溶かし、流してくれるものでは決してない。これもダイエットなのだろうか、、、



 そして、この烏龍茶一大ブームに乗り烏龍茶葉の製造を始めた日本企業が現れるが、実ることはなかったようだ。ブームに便乗し金儲けを企む者に、中国4千年の歴史には太刀打ちできなかったようだ。浅はか。



                                      続く




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