紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” 顔2

 私のワインの勉強法は、知識として得た様々な事柄にプラス味を確かめるのだが、そんなこと自分の金でやっていては破産だ。客の飲み残したワインはとても重要である。ボトルの中に少しだけでも残っていれば至高の喜びだ。この方達であればグラスの飲みかけであっても大歓迎だ。でも、おじさんのは、ちょっと嫌、、、馬鹿っ!こんなこと考えてるときの私の顔、いったいどんな顔してるのだろうか、、、


 二人の話はラベルに印刷された名前から顔に移り、顔は個を判別させ、そしてその人の心情も表すとても大切なもの。そして、日本人女性が、日本で「顔」の文字を用い多くの表現があることをクリスティーネに話している。


 顔が売れるー有名になる
 顔が利くー権力、信用があり、周囲に無理がきく、などなど。
他に面目や体面、代表する人を指すにも使われる。そしてお札の顔の肖像画がその国を代表する人であり、お札に印刷される人物について二人は話している。日本でも「日本が世界に誇れる人物であり、国民に広く知れ渡っている」とのことだ。


「ユーロは建築物がメインですね。マルクは芸術家、学者が載ってました。フランスは?」


「そうね、フランス・フランも音楽家、作家、画家、エッフェル塔の設計者もあったわね、後は、キュリー夫人で有名な学者ご夫婦であったりね」


 何故か、フランスで使われていた通貨について日本女性にクリスティーネが尋ね、彼女もそれに答えている。


 カラン、カランと呼び鈴が鳴り、待ち合わせていたと優子が仕事を終えて顔を出した。ハーパーのロックを頼まれ提供すると、クリスティーネが日本のお札に描かれる人物の説明を優子に求めた。


「日本のお札は一万円札が「福沢諭吉」で、慶應義塾の創設者。日本の学問普及に大きく貢献をした教育者かな。五千円札は誰だっけ、ちょっと待ってね。え~と、「樋口一葉」さんって方で、確か小説家って聞いた気がするけど、、、千円札は「野口英世」で、お医者さんで細菌学者ね」


 二千円札を忘れているが、優子の説明に間違いはない。過去に描かれてきた人物は主に政治家で、芸術、学問の分野から選ばれるのは、裏面に「源氏物語」の紫式部が載せられたが、二千円札を除き、現行のお札からであろう。多大なる功績を残したとは言え、権力を誇示した政治家から、日本の顔として芸術、学問の分野から選ばれたことは評価されることだ。ちなみに、めっきり見ることのない二千円札には、沖縄首里城の守礼門が描かれている。


 優子の説明にあったように、五千円札に描かれる樋口一葉は、大方の日本人にさほど馴染みがあるとは思えない。私も短編物をいくつか読んだことがあるぐらいで、詳しく知ることはない。


                                      続く



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