紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” 炊飯器3

 米を愛してやまない日本人の中には、米を日本固有のものと思われている方もいるのではないだろうか。米を主食とする国は世界のおよそ半数あり、アジア圏に多く見らる。もっとも多く米を食べる国は、バングラディッシュやヴェトナムで、日本は米の消費量では世界で50番目ぐらいに位置している。日本人が好んで食べるジャポニカ亜種も「日本の」と名前が付けられているが日本固有ではなく、アジアの多くの国で栽培され食されている。ただ、日本はより美味しい米への追求心は強く、品種改良を含め、炊飯器にも多くの機能が付いてきたのであろう。


「電気炊飯器はどんどん良いものが出来てて、今じゃ10万円以上のものまであるんですよ。正直きついですけど、毎日のことだから思い切って奮発しちゃおうかなぁ~って思ってるんですね。美味しいご飯が炊けるようにお米の管理から研ぎ方、吸水なんかもちゃんとして」


「まぁ、10万円以上もする炊飯器で炊いたご飯を食べたことがないので何とも言えませんけど、数年前まで最高級と言われていた5万円以上する電気炊飯器と私の980円の土鍋と何ら変わりませよ。いや、私的には土鍋の方が美味しいですね」


「え?マスター土鍋でご飯炊いてるんですか?」


「はい、土鍋で白米に麦を入れて炊いてますよ。熱を考えれば自宅では土鍋が安くて一番いい方法だと思います。電気炊飯器に比べて時間は半分で済むし、それはいかに土鍋の熱伝導がお米を炊くのに適しているか言えるんじゃないでしょうかね」


「でも、難しくないですか?」


「もちろん経験したことがないことを始めるには不安もあるでしょうけど、想像する以上に簡単に出来てしまいますよ。試行錯誤しながら自分の味をみつけるのもいいもんですよ」


「でも土鍋で高級炊飯器のように美味しく炊けるんでしょうかね、、、」


「美味しいご飯を炊くには何度も言いますけど熱と下ごしらえです。高級炊飯器と言われる物もいかにお米を炊くのに適した熱を加えるかを、電気を使って再現したものなのではないでしょうかね。釜戸炊きのご飯をより簡単に再現したもので、それは家庭では土鍋とガスの火力があって、炊き上がりの間に細かな火力調整をすることで簡単に出来ます。それに、カタログにあるようにこっちのメーカーは『もっちり』でこっちは『しゃっきり』ってありますけど、これは米の品種を選べばいいし、吸水を含め水加減でも調整できますよね」


「そうかぁ~」


「ここにある『おこげ機能』も火力と時間でいくらでも調節できますよ。それを機械でやるか、自分の目、耳、鼻で判断してやるかの違いですよ」


「機械に頼りっきりなんですね、なんでも」


「料理をするには、目、耳、鼻はものすごく大切なんですよ。生産者の方が精魂込めて作ったお米、それぐらい真剣に向き合って炊いてもいいんじゃないでしょうかね。機械任せにせず、自分の持つ感覚をフル活用して」


「お米研いで決められた分量入れてスイッチ押すだけしかしたことないのに、簡単に出来ますかね」


「慣れるまでは時間を計ったりすればいいでしょうし、失敗もあるかもしれませんが、そこから学べばいいんです。慣れれば鍋の中のお米の『声』が聞こえてくるようになりますから」


「いっちょやってみるか!」


「そうそう、何でも経験です。話しているうちに土鍋の麦入りご飯が炊けましたよ」



「おいしい、、、」


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