紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” 炊飯器1

 昨夜、店の電球が切れて、店に向かう途中にある家電の量販店を覗いた。店内には多くの電化製品が並べられ見事なものだ。フロアー面積はとてつもなく広く、スタッフの数もかなりの人数だ。メーカーその他の社員もいるだろうし、販売店だけの雇用ではないにしろすごい数。街の小さな家電屋さんで、カタログを見ながら商品を選んでいた頃が懐かしい。電球を探しながら多くの商品を見て回り店へと向かった。

 切れた電球を取り替え、チャームのガーリック・トーストを焼き終え、開店だ。BGMには映画続きだが、“The Blues Brothers”からソウル・フード・カフェを舞台に“Aretha Franklin”が唄った“Think”を選んだ。



Aretha Franklin - Think (feat. The Blues Brothers) - 1080p Full HD


 カラン、カランと呼び鈴が鳴り客の来店を知らせると、明日香が一人で顔を出した。カウンター中央に腰を降ろし薄めの甘いカクテルが欲しいと頼み、バックから取り出したカタログを見入っている。先日出した雪国は明日香にはきつかったのかもしれない。



 私は、丸みを帯びたオールドファッションド・グラスに氷を落とし、ピーチ・リキュールを30mℓ、生のオレンジを絞った果汁を30mℓ加えステアした。



「お待たせいたしました、ファジー・ネーブルです」



「ありがとう。兄の結婚が決まって、あいつお金ないもんだから同居するって言い出して、で、私がアパート借りて一人暮らししようかなぁ~って思って、電気屋さんでカタログもらってきたんですよ」



「そうでしたか。いろいろ大変だとは思いますけど、一人暮らしをすることで見えて来るものもあっていいことだと思いますよ。でも家具や電化製品付いてるアパートも多いんじゃないですか?」



「だめだめ、会社に住んでる人がいるんですけど、家具つきで安く借りられるアパートは隣のテレビの音は聞こえるし、誰か来てると話し声まで聞こえるんだって。そんなの嫌ですよ」



「じゃ、すべて自分で揃えないといけないですから大変ですね」



「ええ、リサイクル・ショップも使って、中古でいいものは中古で我慢して、ですね。出来る限り自炊したいですから、ガスが使えることもアパート探しで重要ですね。炊飯器や調理器具の中古は嫌ですから新品を買って、ご飯大好きですから美味しくお米を炊くのに炊飯器はお金かけたいですね」



「なるほど、それは素晴らしい。じゃ、ご飯もガス炊きされるんですね。今日、たまたま電気屋さんに行ったんですけど、電気炊飯器が高くて驚いてしまいましたね。まぁ、ピンきりなんでしょうけど」



「ご飯炊くのは電気炊飯器ですよ」



「あっ・・・・・」



「マスター、お店にある調理器具はプロ用のしっかりしたものですけど、家ではどうなんです?」



「家でもフライパン、鍋、レードルの一本からプロ用ですよ。使い慣れてますしほぼ一生物ですから、買い換える必要もありません」



「じゃあ、炊飯器も圧力釜とかの良いもの持ってるんですよね」



「とんでもないですよ、そんな高価なもの」



「え~美味しく炊けないじゃないですか」



「どうなんでしょうか、私にはよくわかりませんけど自分が炊くご飯は美味しいですよ。炊飯器と言うか、使ってる道具は980円ですけど、、、」



「・・・・・」



                                      続く



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