紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” 旅1

 旅から戻り、店の再開一日目だ。客は来てくれるのであろうか、、、BGMはアメリカ大陸を横断する旅客列車「スーパーチーフ号」に乗車し、ジャズの巨匠を求め旅をする内容を歌い上げた“Soul Shdows”を選んだ。



soul shadows - The Crusaders & Bill Withers


 見知らぬ土地は多くの刺激と感動を与えてくれる。それらを求めて旅をするのであろうか。旅は日常を離れる開放感と、同時に緊張感もあり、相反する感覚が同時に得られる不思議なものだ。


 カラン、カランとドアに取り付けた呼び鈴が鳴り、客の来店を知らせた。彩香が顔を出しいつものようにジンのロックを頼み、店が閉まっていた理由を尋ねられて私は「旅」と答えた。


「何処に行って来たんです?」


「石川なんですよ。何かね、冬の日本海を見たくなりましてね。食べ物も美味しくていい旅でしたよ」



「いいな~、綺麗な海。私も行ってみたいなぁ~。町並みも綺麗なんですね」


 彩香は石川には訪れた経験がなく、手渡した写真を見ながらつぶやいていた。


「ねえマスター、人はどうして旅をするのかな?」


「もちろん人それぞれに理由はあるでしょうけど、私の場合は非日常を楽しむことが大きいですね。見る景観にしろ食事、寝る場所すら違い、そこに刺激があって、非日常だからこそ感受性も高まり、多くの感動も得られるんだと思います。ある意味、現実逃避かもしれませんね」


「ねえ、マスターは旅行するとき細かく計画するの?」


「それは情況によってまったく違いますね。同伴者がいれば大雑把であっても計画して、宿の手配もして主だった観光地も調べて行動しますし、言ってみれば『旅行』ですかね。一人のときはそれこそ自由に行動出来ますから、目的地は決めますけど行った先では行き当たりばったりで、私的には『旅』なのでしょうね」


「そうか~『旅行』と『旅』の違いね、なるほど。計画してある程度決まった行程を行くのが旅行で、会社の慰安旅行だったり、家族旅行だったり、旅は自由気ままな感じなんでしょうね」


「旅行と旅には使い方に違いはないようなんですけど、私の解釈には明確な違いがありますね」
                                      続く


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