紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” K祭 信頼

「新年、明けましておめでとうございます。昨年中お世話になったすべての方に感謝すると共に多くの幸があることを望みます。どうか今年も庵(いおり)を宜しくお願い致します」


 新年が明け、私は自宅の西側の窓を開け、冠雪した美しい鈴鹿の山々を見入り、心の中で唱えていた。元旦の今日はクワンザの七日目、最終日だ。ギフト用に買い揃えた本をザックに入れ、自転車に跨った。 



Marvin Gaye - What's Happening Brother


 “Marvin Gaye”をターンテーブルに乗せ開店だ。カラン、カランと呼び鈴が鳴り、優子、彩香、明日香が顔をだし、三人が声を揃えた。


“Joyous Kwanzaa and a happy New Year”


 私はオーダーされた飲み物を提供し終え、七日目、最後のロウソクに火を灯し、今日のテーマ「信頼」を伝え、お祝いのスタートを告げた。


 彼女達は優子の問いかけで、「信頼」から結び付く言葉を挙げ出し、多くが出ているようだ。


「嘘をつかない」、「八方美人ではない」、「悪口を言わない」、「目標が明確」、「過去の実績」、「安心」、「裏切らない」、「任せられる」などなど。


 聞き役に徹していた私に彩香が問いかけてきたが、私は先ず「信用」と「信頼」の違いを話し合うことを提案した。「信用は出来るが、信頼できない」、「信頼出来るが、信用するな」などと使われることもあり、同意語として使われることもあるが明確な違いがあるのであろう。


 辞書を引くと信用とは、確かだと信じて受け入れること。信頼とは、信じて頼ること。信用して任せることある。信用は、過去の実績ないし、誤りを改善し得られる物で、一方通行での関係も成り立つ。そして、信頼とは、精神的な繋がりを持ち、未来に対して期待する気持ちが含まれ、相互通行の関係であることが多い。そして、信頼は信用の上に成り立つもので、信用なくして信頼は得られない。


「私は、社会の常識やまわりの意見に流されず、自身の思うことを言える人は例え反対の意見であったとしても信頼できるかな~」


 優子の言葉にみな同感のようで、私にも異議はない。彩香からはこんな言葉も出た。


「変に言い訳したり、責任転嫁する人は信頼できないかも。非があったなら素直に認め、謙虚に反省し、同じ過ちを繰り返さないよう努めている人は信頼できますね」


 以前、三重県伊勢市にある和菓子屋で、賞味期限の改ざんが発覚したことがある。大きな反響を呼び営業停止の処分を受けたが、素直に非を認め、詫び、経営陣を一新し、冷凍設備の撤去など改善点を示した。失った信用を取り戻し立ち直りを見せ、新たに信頼を得ている。そして明日香はこう話した。


「あと、一貫性のある人は信頼できますね。そのときそのときで言動がブレていなくて、それでいて他を認め自分中心に考えない人」


 近年のアメリカではクリスマス期の挨拶が“Merry Christmas”から“Happy Holidays”に変わっている。理由はキリスト教以外の信仰を持つ方への配慮からだ。イスラム教徒、ユダヤ教徒も多く、この方達はクリスマスを祝うことはなく、日本人のようにイヴェントとして楽しむこともない。個人主義と非難されることの多いアメリカ人も、他を尊重し弁えていることだ。


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