紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” 愛歌2


「BGM替えましょうかね」



Save the last dance for me - The Drifters


「楽しく踊りたくなる曲ですね」


「この曲は、男性が女性に向けて歌った曲なんですけど、、、『誰とダンスをしても構わない、楽しんでおいで。ただ、ハートだけは取られないで欲しい。送ると言われても断って欲しい。そして、誰が家に送るのか忘れないで、最後の踊りだけは私の為にとっておいて欲しい』って歌っていますね」


「何か、浮気を容認しているような感じなのかしら?」


「さぁ、どうでしょうかね。もちろん、解釈は個人の自由なので、お客様が感じられたことがすべてだと思いますが、私は、夫婦は長く一緒にいる間、多くの問題が起こり、喧嘩することも、他の人に目を奪われることもあると思うんですね。しかし、仲たがいしても、最後に一緒にいるべき相手は、やはり夫婦なんだって解釈してますね。先ほど許せなかったっておっしゃってましたけど、一時の感情から来てしまうことだってあると思うんです。理由は聞きませんが、相手を許す寛大さも、勇気も必要なのではないかと思います。キツイ言い方をしますけど、許さないことは逃げれると取ることも出来ますよね」


「最後のダンスは夫婦でかぁ~、なるほど」


 カラン、カランとドアベルが鳴り、ジン好きの女性の来店だ。


「いらっしゃいませ、お飲み物はいかが致しましょうか?」


「へぇ~私のカクテルを下さい。ジャケットの色、合わせてきたんですからね!」


「ブルーレディですね、かしこまりました。しばらくお待ちください」


 カクテルを作る間に、先客の女性は追加でマーテルを頼み、一気に飲み干し店を後にした。薄っすらと目に涙を溜めていたようだ。


「マスタ~何か悪いことしましたね~今の女性に」


「とんでもありませんよ。ちょっと背中を押しただけです。もうお気持ちは固まっていらしたようなんでね」


「まぁ、よくわかんないけど、人の詮索はだめですね」


「そうですよ!」


「ねえ、マスター、年内はいつまで?イブの日も営業しますか?」


「はい、イブは営業して、年内はまだ決めないですね」


「じゃあ、イブはマスター寂しいだろうから来てあげるね。マスターが後20歳若かったら彼女になってあげるのになぁ~」


「では、20年後、予約入れておきますね」


「じゃあ、マスターは20年間冷凍庫で固まっててくださいよ~だ」


「・・・・・」


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