紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” 38%3


 食料の需給率が最低レベルで廃棄率が最高レベルの国は、世界中何処を探しても日本だけだ。わずかな食料がなく、今も人が命を落としている国が世界には多くある。


 「賞味期限切れ」で、購入後、家庭で廃棄される食品も多い。一見、食の安全を確保するためのものと感じるが、十分に食べることが出来る。期限が切れたら捨ててくれて、また新たに購入してくれれば販売する側はそれでいいのだ。スーパーの廃棄損失は価格に反映されている。人は食品の腐敗を「酸味」で感じ取り、とても大切な味覚だが、日本人の味覚は、多くの添加物、化学調味料で崩され麻痺していく。


 「お金を出せば食べられるでは、感謝の気持ちは育まれませんし、伝統は崩れ、もうすべての食材で紛い物が溢れてますよ。身体も間違いなく病んでいきます。日本の伝統調味料であるみりんや醤油、味噌など、今、あるほとんどが偽物で人為的な化学処理をしたものですから、調味料を使うだけで本来人が口にすべきではないものが身体に入ってきます。多くの化学物質を処理する能力を人は持っていませんし、進化も出来ていないですよ」


「昔ながらの製品が一番安心、安全かもしれませんね」


「ただ、政治、教育の影響もあるのだけど、私達日本人が、豊かさを便利な物資で溢れることだと思い込んでしまい、それを求めてしまったことですよね。企業の効率化を家庭にまで持ち込んで、手のかからない便利なものを選ぶ。便利なものには当然リスクが伴います」


「家庭内での効率化かぁ~、便利なものを私達も求めますからね」


「国民がたくさん仕事してより多くの税金納めてくれ、お金をたくさん稼いで、たくさん使ってくれれば、日本は潤い、政治家は喜びますよね。学校教育も人をそのように育てていきます。まともな食品にお金を費やすのではなく、食料は節約してでももっと便利で高額なものを買ってくれればいいんですよ。高額商品を買うにはもっと働かなければいけませんよね。身体も壊れて家庭も壊れます」


「時間を持て余すこともありますよね、なんでも便利で時間をかけずに済んでしまって」


「持て余す時間は、余暇などに有効利用できればいいのですが、多くの日本人は利己主義ですよね、自分勝手。自分がよければ他人など、家族すらどうでもいい。愛もなければ思いやりも持たないですから、時間を手に入れた主婦で、自己本位の傾向が強い方は、不倫で大忙しではないでしょうかね」


「不倫大国の原因もそこに一理あるんですね、びっくり。政治や教育が大きいですね。身を削り心も病み、一生懸命働いてこんな国しか残せないなんて。政治家、教育者が自己の欲しか考えてませんからね、日本」


「元は家庭と時間を共有する時間を持たされないご主人が原因なのでしょうが、そう辿っていくと日本の社会全体の構図が原因ってことですよね。昔は時間的、金銭的な余裕もなく、家族を守るだけで精一杯だったと思うんです。今はお金が守ってくれますので、子供放って自分の欲求を満たす人も多いんじゃないですかね。残念と言うか、どこまでも痛いですよね。その環境下で育てられた子供が、どう成長していけるものなのか」


「家族に対する思いやりもなくなってしまうんでしょうね。欧米はすべて家族があって成り立ってますもんね。なにより家族が大切なんですよね」


「まったくだと思いますよ。後、食料自給率にはカラクリもあり、農水省関係者の私欲な思惑もどうも隠されているみたいなんです。私にはまだよく理解できていないんですけど、日本人の心が荒んできていることだけは間違いないですね。すべては政治、教育です。政治、教育に携わる者が一番愛と思いやりを持たなければならないはずなんですけど、政治、教育に携わる人の多くが利己主義ですから、国民はそうなってしまいますよ」



Ray Charles - Ellie, My Love

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