紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

旅で出会った海(Primo piatto編)


博多から自転車で移動中に出くわした玄界灘

あいまいな水平線にぽっかりと浮かぶ島 曇り空もいいもんだ
                              唐津街道二丈PAより
                              記事 期待に膨らむ胸



出島を探しにうろついた長崎港

さっすが、観光港 めっちゃ綺麗でびっくり わが町四日市港がなんだか、、、
                                 出島ワーフより
                                   記事 破壊



行き先なんて何処でもよくフェリーに乗り込んだ島原外港

女子高生がかっぱえびせんあげてたカモメをうらやんだ私、、、
おじさんだって、空飛んじゃうぞ~~~~~
                           長崎行きフェリーの甲板より
                                記事 自然の猛威

Caffe 後世に残すべきもの


 旅を終え自宅に戻りテレビを点けると、熊本の地震がニュースで流れている。ほんのつい先日に滞在したばかりで、見学した城などに大きな被害が出て驚くばかりだ。真っ先にホテルのフロント女性(Primo piatto 嫌な予感)の安否が気にかかる。発生が勤務中であれば、客の避難誘導など多くの苦労があるであろう。怪我もなく無事であることを願うだけだ。また、自身の脱出願望がここに理由があったとは信じがたいが、今まで感じたことのない不思議な感覚であった。


 人は自然の中に生かされているだけで、自然の猛威に勝る術は残念ながら持ち合わせていない。知恵を授かったばかりに、自然の摂理から大きく外れた行いを続ければ、破滅が待ち受けるだけであろう。今更、原始的な生活など出来るはずもなく、授かった知恵は、自然とのバランスを取り、活かしていかなければならない。


 人には多くの欲がある。三大欲求の食欲、睡眠欲、性欲は、生きて子孫を残すための原始的で必要不可欠な欲なのだが、常に現状に満足することなく新しいものを求めている。それ故、新たな発見、発明もあるが、過ちも犯してしまう。


 欲が絡めば必ず争いが起きる。個人単位であっても国家単位であってもだ。国内統治に飽き足らず、支配を他国にまで求めた結果、今回の旅で訪れた広島、長崎の惨禍を招いてしまった。独立国家に攻め入り勝利できた軍事力を、なぜ防衛だけの為に留めなかったのであろうか。すべては欲であると思う。


 2011年3月11日、宮城県沖で発生した地震により、東北、関東地方が膨大な被害を受けた。まだまだ多くの方がこの被害に苦しめられている。地震発生は天災であり致し方ないと諦めることが出来るであろうか。特に原発被害を受けた福島の方は、つよく感じるであろう。


 欲から、より便利な物、より快適な物を求める。その欲を賄うためには大量の電力も必要であり、原発がなければ補うことは出来ないであろう。原発が必要となるまで欲を出した、人がもたらした人災だ。私たち日本国民すべての責任なのではないだろうか。放射能の恐ろしさは、私たちが世界中のどこの国の人よりも理解しているはずでもある。


 同じ言葉を繰り返してしまうが、今更原始には戻れない。ただ、ほんの少しだけ巻き戻すことは出来るのではないだろうか。


 ヨーロッパは緯度的なこともあり、森林が弱く一度破壊されれば元に戻ることはないと言われる。その分環境問題に敏感であり、多くの取り組みを行っている。日本は温暖であり幸いに森林は強く、国土の多くを占めている。ただ地球温暖化が進み、いまだかつてなかった異常気象がこのまま増え続ければ、この先どうなってしまうのであろう。


 木々に包まれた緑の中に、安らぎを感じる人は多いであろう。公園を整備し植林をしたり、街路樹も至るところに植えられている。家庭でもガーデニングをし、緑を楽しむ人も多いのではないかと思う。


 人はなぜ緑を求めるのであろう。


 あくまでも私の解釈である。人は猿から進化している。猿は生活の場を肉食獣からの攻撃を受ける地上から、より安全な木の上に求めた。森の中、緑の中が一番心安らぐ場所であり、その遺伝子が未だに人の中に居続けているのではないかと思う。


 きらびやかなネオン街のお姉様に安らぎを感じるのは、また、別の話である。


 自然との調和、バランスを取ることは、野生動物の遺伝子が残っていれば、それほど難しいことではないのだと思う。人が授かった知恵は、破壊に繋がることではなく、自然の中で生かされていることを踏まえ、活かさなければならないのだ。


 旅で、美しい山々をたくさん見た。そして美しい海も見ることが出来た。ただ、海は綺麗な場所も、そうではない場所もあるが、世界にたったひとつしかない。すべて人の手により姿を変えてしまったのだ。


 高度経済成長の中で生きてきた私たち世代は、多くのことを見失っていると思う。このまま次世代に残していいのであろうか。本当の意味での豊かさを後世に残していきたいと思う。
                         自転車と列車の旅 追憶記  完

Dolce 不人気スポット  


 今日こそは家に帰ろうと心に決めてカフェを出発したのだが、目の前は日本の歴史上最も由緒ある場所であろう。訪れたい箇所がいくつもあるのだ。


 金閣寺、銀閣寺、清水寺等々有名どころに行けば、きっと素敵なお姉様達で溢れているに違いない。想像しただけでワクワクするが、無信仰である私は、仏閣にはまったく興味がない。清水寺に向かう坂の途中にある七味屋さん。黒七味はぜひ買っておきたい一品だ。でもきっと行かないであろう。


 訪れた場所は御所である。天皇を心から崇拝する私は、、、とも文章を綴れない私だが、この御所にある蛤御門を見ておきたかったのだ。
 御所内は予約制で所定の手続きを踏めば観覧できるが、私にはあまり興味はない。


 江戸時代末期、薩摩、長州の両藩が戦った禁門の変跡であり、この戦いの後、和解し同盟を結び新政府を作り上げて行った。


 門には銃弾の跡がくっきりと残っている。


 次なる目的地は池田屋跡地。長州藩を中心にした攘夷志士が終結していた池田屋に、見廻組の下部組織として発足し活動をした、治安部隊なのか殺戮部隊なのかよくわからない新撰組が乗り込み制圧した事件だ。


 今は居酒屋として営業している。
 新撰組に好意的ではない私は、営業時間外で助かった。乗り込み酒を飲もうものなら、切られていたかもしれない。輪行しようと準備していた駅で、自警団に見逃してもらい助かった命を(怪しい人物の項参照)大切にしたい。と、さり気なく過去ログの宣伝をしてみる。


 近くに流れる高瀬川が何か情緒があり心落ち着く。江戸時代初期に物流の為に設けられた運河で、森鴎外の小説「高瀬舟」の舞台となった川だ。大正期に安楽死と向き合った作品で多くのことを考えさせられる。作者の覚えはないが「高瀬川」と題の付いた小説も、本を買った覚えがあるが、数ページ読んだだけで内容を把握していない。


 そして、二条城だ。江戸幕府初代家康と最後の15代慶喜が共に関与した城で、江戸期の始まりと終りの場所でもある。特に慶喜により大政奉還が宣言された場所で、近代国家日本の始まりでもあり感深い場所である。


 二条城を出て再度高瀬川に向かい、川沿いを下り四条まで出て花街先斗町を散策した。男ってのはいつの時代も、、、。
 「悪代官ごっこ」が出来るお座敷遊びはないのであろうか。
 越後屋に捕らえられた娘の帯を解き、「あ~れ~」とくるりと舞う、、、。こんな遊びがしてみたい、私。ほんと馬鹿っ。


 時代劇で作り上げられたフィクションであり、実際には商人と結託し悪事を働くような代官はおらず、薄給にも関わらず領民の為に勤め上げたのだが代官である。


 小説、テレビドラマで多くの歴史上の人物、団体が取り上げられる。過剰な表現であったり、創作ももちろん入ってくる。娯楽として、フィクション作品として楽しむには何も問題ではないが、見る側に史実として伝わってしまい、誤った認識を植えつけてしまうことは問題があるように思う。


 歴史上の人物、団体のファンと言う方の多くは、その作品のファンであることが多いのだと思う。
 NHKの「大河ドラマ」も史実とは異なることが多いのだ。


 その後、川原町通りに出て、陸援、海援両隊の隊長が暗殺された近江屋を当たった。石碑と説明書きがあったのみで、誰一人立ち止まる通行人がいなかたのが少々残念な気もする。


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 さて、どうしよう。時刻は15時を回ったとこで、輪行すれば今日中に自宅に戻ることが出来る。また、この地で宿を取り、自転車の走行で帰路に着くかだが、長い距離の自転車走行した私は、もういっぱい、いっぱいで自転車を楽しむゆとりがない。この先、滋賀と三重の県境には、魔の鈴鹿峠も待ち伏せている。駅に向かい、自転車を袋詰めにした。


 列車を乗り継ぎJR四日市駅に着いた私は、通い詰めているブルーズ・バーに身を置いていた。マスターの人柄と、大好きな黒人音楽が長い旅で疲れた私を癒してくれる。


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                         Dolce(デザート)終り