紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

大海原 Second piatto 気になる、、、


 ホテルを出てとりあえず駅に向かい、めぼしい観光地を探ることにした。駅にはきっと観光案内所があり、旅行会社のパンフレットも置いてあるであろう。周辺地図だけでもかなりの情報は得られるはずだ。それに観光案内所に行けば、綺麗なお姉様がいるかもしれない、、、


 楽しみにしていた観光案内所は見つけることが出来ず、駅のパンフレットは、県外の案内ばかりだ。考えてみれば何となく察しはつくが、頭がまわらなかった。「周辺観光案内」の看板を見つけるも興味の沸くものはなく、海を目指し自転車を走らせた。


 南北に走る道路からは、右手方向にチラり、チラりと海が見え、もっと見てみたいと衝動にかられる。モロに見えるよりチラリズムに心踊るときがある。ただ、この道路は起伏が激しい上に交通量も多く、チラチラお姉ちゃんを見ている、ではなく、海を見ている余裕はあまりない。


 直進を続けると、"inspire the next"の文字がたくさん出てくる。ここが有名な日立製作所なのかと思うも興味はなく、我が家のテレビはシャープだったことを思い出させてくれる。それよりnextに続く言葉がないことが不思議だ。


「これでいいのか?」とか「う~ん、意味わからんし~~~」」


と思うが英語には自信がない。普通なら「次の世代」とか何か言葉がいるような気がしないでもない。曖昧に含みを持たせる日本特有の煩わしい表現なのであろうか。どうでも良いことが気になる私は、、、変な人。


「だから次の何なのよ~~~、次の次は何?早く教えて、今、知りたい」



♪この~きなんのききにるなき~なまえもしらないきですから~♪


 確かに「あの木」は見てみたい気がする。気になる木である。



 鼻歌を歌いながら快適なサイクリングだ。「ノリノリ」で車を運転しながら歌ってる人をたまに見かけるが、あれは笑える。


 自転車をさらに進めると左手に駅が見える。どうやら駅ビル内に展望室があり海を見渡せるようだ。さっそく行ってみよう。


 駅ビルはガラス面で覆われ、列車の利用には全く関係のない場所にも関わらず高架で通路を渡し、海側に展望室が作られている。建築費が高かっただろうと関心すると共に、どうせなら床面もガラス張りにしてくれれば、、、馬鹿っ。



 この景観があれば何もいらない。

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