紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

Dolce お宝


 街を出て東に進路を向けると大きな山がそびえ立っている。ヒルクライムは避けるべきであろう。輪行するか、かなりの距離を強いられるが海岸線に進路を向けるかで、海岸線を走ることにした。決して平坦ではないが、綺麗な景観が目の前に広がる。


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 やがて海岸から外れ市街地に入ると、お城の看板が目に入る。お城にテーマを決めて帰路の旅をしているわけではないが、ここは見ておくべきであろう。


 北進すると、見事な建造物が目を引く。あいにくの曇り空でいつ降りだしてもおかしくない天候であるが、平日にも関わらず、多くの観光客を集めている。手前の商業施設が並ぶ公園に自転車を置き徒歩で移動だ。


 桜はほぼ終りで少々残念な気もするが、緑もまた良い雰囲気を作り出している。若干改修の途中でテントが張られた部分もあるが、あえてその部分も写真に収めてみた。やはりなかった方がよかったみたいだ。


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 城の中に入り思ったのだが、建築に詳しい知識もなく、天守閣とか上ったところでそれほどの感動がない。外から遠めに眺めてる姿が美しいと思う。


 自転車を始める前は登山をしており、富士に登った経験がある。荒地が続く登山道には、人、人、人、、、。下界を見下ろす爽快感はあるが、美しい景観にめぐり合えることはなかった。遠めに眺め、その雄大で美しい山容を楽しむ山であろう。と、なぜか富士登山を思い起こしていた。


 城内を見学しているうちに雨が降り始めた。急いで宿を確保しなければならず、お城から出ようとしたとき、素晴らしい光景が目に飛び込んできたのだ。女性の城内係り員の素敵な笑顔に、その彼女の胸の先が、心なしか突起している感じだ。


「もしかして、してないのかしら?」


 国宝&世界遺産は、素晴らしい景観と感動を与えてくれる。


 合羽を着込み、駅前に走るとアーケードがあり雨がしのげた。駐輪場もあり商店街を散策すると、多くの立ち飲み屋が営業をしている。


 雨で自転車での移動は出来ないし、何も観光地を巡るだけが旅ではない。いろいろな理由付けをしのれんをくぐった。明るい内から飲むお酒って、美味しいのです。


 軽く一杯のつもりが、気が付いたときには宿を探す気力も失せている。フラフラと自転車まで戻るも、アーケードの外は雨がまだ激しく降っている。と、そのとき目の前にネットカフェがあるのだ。自転車を停めるときには気が付かなかったが、まだまだついている私だ。きっとどこでも寝れるさ、この酔っ払い。

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