紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

Second piatto やがてひとつ


 次なる橋を渡ると、多くの方が知る地名で塩が有名な島である。生産なのか製造なのか、どちらが適切な言葉であるのかよくわからないが、自然海塩ではないので製造がより正しいのかもしれない。
 悪しき塩の専売が解かれ、「塩が選べる時代」を作り上げた功績は大きい。


 ブルーラインは穏やかな丘陵地帯を越え、海岸線へと進み綺麗な景観が広がり、ついつい立ち寄ってしまう道の駅が現れる。多くのサイクリストが休息を兼ね、肩を寄せ合い海を眺め語り合う恋人たち、砂浜ではしゃぐグループなど思い思いに楽しんでいる。


 塩ソフトクリームが大人気のようで、多くの人が持ち歩いている。私は売店で塩まんじゅうとお茶を買い、ベンチに腰掛け楽しむことにした。


 綺麗な砂浜が広がり、夏ともなれば海水浴に訪れる素敵なお姉様達で賑わい、より美しい景観を見せてくれるのであろう。


 ブルーラインは更なる橋を渡り、パンクをして困り果てていた女性が目指した島だ。無地に辿り着けるのであろうか。


 しばらく海岸沿いを走ると、決して大きくはないが一際目立つ島が現れる。ここも村上水軍ゆかりの島で、今は無人島なのだが見事な桜が目を引く。


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 この島との間には激しい潮流が見られ、とても見応えのある景観だ。流れの異なる潮がぶつかり激しく争い渦を巻き、やがてひとつにまとまって行く。


 人には争いを回避する知恵があるはずだ。考えの異なる国同士も、いつかこのようにひとつにまとまってくれればよいと、渦潮を見て感じていた。


 ブルーラインは海沿いを離れ上り下りを繰り返し、長い距離を走った後にはかなりきつい坂も出てくるが、のんびりと楽しめば良いのだ。仮に自転車を降りて押して歩いたところで誰に怒られる事もない。
 決して競技ではなく タイムを争っているわけでもない。自分のペースで楽しめばそれで良い。


 登山も綺麗な景観を楽しみながら登れば楽しく、疲労困ぱいであれば楽しくない。

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