紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI” 吠えるChicken2

「BGM替えますね」



バッドボーイ・ブルース 04年Live野音Part15 ハウンドドッグ HOUND DOG 大友康平


 彩香はネット社会で、個人が特定されず、自身を思うがままに創作出来きることが問題だと言う。身元が判明しないことを楯に、責任を伴わない好き勝手な発言や、集団心理が輪を掛け、複数で個人を攻撃する最も卑劣な行為の話も聞いたと話す。そしてこの手の問題の多くは、普段は物も言えない臆病者のストレス発散なのだと聞かされたと話した。


 彩香も興奮気味に話してしまい、先ほどはアジアの近隣諸国に対して発言していた自称「正義」はこぶしを握り締め手を震わせている。この手の男の行動は何をしでかすか理解できず、最悪のことも想定し、私はシュミレーションをしていた。そして彩香に自称「正義」が清算を求めたときは、狭い通路でのすれ違いは危険があり、トイレに篭るようメモを書きをし伝えると、うなずいた彩香はさらに話し続けた。


「その国の政策、方針がおかしいと言うだけなら、まだ、自分目線でしか物がみれなくて、相手の立場になって考えれらない痛い人とか、何か重いもの抱えて大変なんだ、で済むんですけど、社会的な制裁が必要な、国や民族、個人に対して差別発言をしますからね。ブログは素晴らしい文化を創造しているって思うんですけど、そんな発言して自分達で汚してしまってるんです」


「残念なことですね。アジア蔑視の政治思想で、そのように教育されてきましたからね」


「なんだか『正義』を気取って『おかしな国家の国民だから個人もおかしいのか?おかしな個人が集まった国家だから国もおかしいのか?』みたいな発言があったり、これ完全に対象が個の人間に対してされてますので、完全に人権問題ですよね。怒りを通り越して、悲しくなってしまいますよ」


「日本は明治期に朝鮮を侵略することで、欧米諸国から受ける圧迫の代償を得ようとしたんです。それに、朝鮮への侵略は『物語』に書かれていたことが理由ですから、ただの馬鹿ですよね。その人の言う『おかしい』はこの馬鹿な思想を引き継いでるその人自身に当てはまることですね」


「日本の愚かさを知らないから、自分が『正義』で、他国、他民族を批判したり差別できるんですね。こんな人達が改心してくれるか、いなくなってくれて、本当に素晴らしいブログ文化が根付いてくれると嬉しいんですけどね。人権に係わる差別は、社会的な制裁を受けなければいけないって認識を持っていないんですかね」


「それは、ネットで壁作ってるから発言できるのでしょうね。最も卑劣な人間のすることですよ。改心など無理、説いたところで責任転嫁し、何が悪いと、居直るだけですよ、その手の人は」


「中国、韓国に対して差別意識を持つ人間が日本に存在する限り、過去をいくら詫びたところで許してもらえる訳がありませんね。それにそう言う人の存在、発言がブログの価値、意義を下げ、過去のネットであったように、群がる人間すべてが痛い人って一般の人に思われてしまうんですよね。自分の首を絞めてるのわかんないのかしら」


「わからないからやってるんでしょうし、それに本意はわかりませんが、同調する人もいるわけですよね。これが日本の現実ですし、その現実に背を向けるのも日本の現実です」


 自称「正義」はさらにビールを追加し、一気に飲み干し会計を頼んだ。彩香がトイレに篭り身を隠すと、男は会計を済ませ店を出て意味不明の言葉を叫んでいた。

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