紀行、小説のノベログです 日々感じていることを盛り込み綴っています

「自転車と列車の旅の追憶」 紀行 完
「大海原」 紀行 完
「家族」 小説 完
“Soul bar-IORI” 短編小説 完

“Soul bar-IORI”  開店準備


 街路樹が葉を落とし始め、もう間もなく冬が訪れようとしている。街にはクリスマスの飾り付けが始まり、寒さが増していくと共に感じる寂しさを、紛らわしてくれる。


 繁華街から外れた路地裏に、一軒のバーをオープンさせる。ソウル・バー、魂のバーである。ちなみにSeoul、韓国のソウル特別市は関係ないので、、、キムチはない。後、看板が「居酒屋」なのだが、どうか、お気になさらず。


 音楽を主体にしたバーで、中心はアフリカ系アメリカ人の音楽であるが、Soulに限ったわけではなく、Blues Gospel Jazz R&B  Rock Funk 多くのものをかけていく。rapは好きではないので かけることはないだろうが、ラップはよくかけている。つい先ほども仕込んだ料理に使ったばかりだ。サランラップとクレラップを比べた場合、サランラップのが、、、きっと好き。しかし、開店準備で買ったのは安いトップ・バリュー製品だ。ラップに拘りはない。ただ、「こんな日本に誰がした?」と問いた場合、イオンの持つ責任も重大であろう。イオンは、、、マイナスがいい。開店準備に入る前に、滝に行っておけばよかった。


 音楽としてのジャンルSoulは、1950年代にアフリカ系アメリカ人の音楽のルーツ、GospelやBluesから派生した音楽だ。ヨーロッパ系アメリカ人からの根強く残る人種差別に対し、活発な公民権運動(人種差別をなくし、人としての尊厳を取り戻す運動)が行われた時代背景もあり、世界的な流行をみせたこの時代のアフリカ系アメリカ人の音楽を、「魂」と呼ぶようになったのであろう。


 時代と共に音楽は様変わりしジャンル別けされるが、レコードを売りやすくするための施策であり、さほど意味は持たない。SoulとR&Bの違いを述べよと言われたら、私には答えられない。ただ、「ビートルズ」だと思い込んで買って来たレコードが、「ずうとるび」だったら、ちょっと、、、嫌。


「山田君!座布団一枚持ってきてー」


 元ずうとるびの山田君は子供の頃から「笑点」に出ていたらしい。知らなかった。きっと世の中、知らないことがもっとたくさんあるはずだ。


 酒はバーボンを中心に取り揃えたが、スコッチを好む客もいるであろう。シングル・モルトを、、、「少っち」だけ用意した。そのほかカクテル用にリキュール、スピリッツ類に、ワインも数銘柄はある。本当は日本酒も置きたいのだが、とりあえず見送ることにした。「とりあえずビール」のおじさん達もきっと多いはずだ。ビールも数種、瓶を用意している。「バドワイザー」も用意したが、「バド・ガール」はいない。自分で着てみるか、とも思ったが、やめておいた方が無難であろう、たぶん、、、風邪引くの嫌だし。


 準備は整った。気が向いたら店をオープンしよう。

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